2007年の大晦日も2008年の元旦もクロスカントリースキー(まだ続きます。。はい)。
ヨーロッパの場合は日本における「クリスマス」と「お正月」真逆で、クリスマスは家族や親族が集う大切な期間で、大晦日と元旦だけちょっとお休み。
両日とも自分たちと同じようにクロカンを楽しむ地元の方たちがたくさんトラックにいらっしゃいました。
・5日目 Lillehammer (大晦日)
昨日と同じ、宿の裏からløype(ロイペ=クロカンコース)を登り3Km離れたSkistadionへ。天気も良く、祝日ということもあり、クロスカントリー競技場はかなりの賑わいでした。
バイアスロンの練習をしている人たち(カッコいい~)をアツい眼差しで眺め、約4Kmの周回コースへ。
湿地帯をぐるりと回る周回コースのロイペはなだからでとても快適。
初日の霙雪のときは流れていた川も、ここ2日の晴天による放射冷却?で、川面がうっすら凍結。
Skistadionに戻り、来た道を一気に滑り降りて。。と思ったら地元のお子様たちの集団がマッハで駆け抜けていきました。はえぇ。。
午後2時を過ぎたら早くも黄昏。
同居人も段々とカンを取り戻したのか、すいすいとスキーを操っていました。
計10Km走ったので良しとしましょう。
気持ちよく滑った1日のあとはビール、ビール。
大晦日なのでスーパーの営業時間は12時から16時まで。
宿に戻ったら大急ぎで買出しにGo。
←「赤い龍」という名前のビールを発見。Ringnes(リングネス)というノルウェー大手ビールメーカー(ただしデンマークのカールスバーグの傘下)の製品。「ライトでクリアなテイスト」がウリだそうで。
「赤い龍」と、日本語感を全面に押し出している点がポイント高し?
日本のビールみたいな(ほにゃららドライ、みたいな)味なんだろな~と思い、購入は見送りましたが^^;
せっかくの大晦日なので(?)、デザートも。
Rispudding med frutti saus(ライスプディング+ベリーのソース)。
うまい~。
お米に濃厚な生クリームとは、カロリー高そう~ですが、いやぁうまい。
ノルウェーでは朝食に牛乳粥を食べることがあり、そのお粥の余りを活用すべく生まれたデザートだそうです。
そういえば。むか~し同居人に「お米炊いておいて」とお願いし、いざ圧力鍋の蓋を開けたら中身がミルク粥だったということがありましたっけ。。(我が家には炊飯器がありませぬ)
新年を迎えるにあたり、テレビでは国王Harald(ハーラル)5世からのご挨拶。
ノル語はちっともわからんのですが、なんとなく「今日、インターネットやチャットなど手軽なコミニュケーションツールが増え便利な世の中にはなったが、みんなちゃんと話し合い、相手を深く理解し合おうではないか」みたいなことを仰っていたと思います。たぶん。
いやはや、よもや御年70歳であられる国王様から「チャット」というお言葉を頂くとは思わなんだ。なんかギャップが面白い。
そんな風にマターリと部屋で過ごしている間も、外では打ち上げ花火の音がどごーん、ばごーんと響き渡り続けていました。大晦日の夜は、それぞれ勝手に花火を打ち上げて新年を祝います。
3尺玉とか4尺玉とかドデカイ花火ではないけど、日本で一般に市販されている打ち上げ花火よりは強力そう。
窓を開けると、まるで戦場にいるような気分。
翌朝元旦の国内ニュースで、「どこぞの学校が、花火が原因と思われる出火で延焼」との報道。
ヲイヲイ、狙いすぎだろ。。( ̄△ ̄;)
・6日目 Lillehammer (元旦)
大型低気圧の通過に伴い、朝から雪模様。気温が低く結晶の細かいサラ雪なので、朝からクロカンに出発。
雨だと厄介ですけど、雪でよかった。
さすがに3日連続で3Km連続上り坂~は飽きるので、この日はスキーを担いで車道を歩いてダイレクトに周回コース方面へ。クロスカントリー用のブーツは歩きやすいし、板も軽い。
今日も来ました、Skistadion。元旦も祝日なので、それなりの人出。
とはいっても、日本に比べたら密度は激薄!ですが。
電光掲示板によれば、気温はマイナス5.7度。
雪は降り続けていますが、幸い風が吹いていないので、別段寒くはなく。
周回コースを2週。ここのロイペはほんとに楽しい。
最終日なので、ちょいと名残惜しいけど、真っ暗になる前にぼちぼち退散。
年末年始にかけて、宿の部屋にこもっている間はず~っとテレビ漬け。
日本ではリアルタイムで観る機会の少ないノルディックスキー競技の中継が多くてうれしい。
バイアスロンにはぁはぁ。シューティングの場面では思わず手に汗。ジャンプもディスタンスも面白いけど、自分にはバイアスロンが一番ドラマチック。
あと、ノルウェーとスウェーデンの放送局のほかに、ドイツのスポーツチャンネルとBBCが入るので、色々な言語がちゃんぽんになだれ込んできて面白い♪
ノルウェーの国営放送だけでもブークモールとニーノシュクの2つの公用語があって、国民の80%が使用するブークモールが主流だけど、同じニュースのニーノシュク版が流れたり、とても稀にサーメ語(北方原住民の言語)のニュースが流れたり。言語オタにはたまらんです、はい。
そういえば。元旦の夜に、Sametinget(サーメ議会。サーメ語ではSámediggi)の議長の挨拶がテレビで流れました。昨日、大晦日の夜にノルウェー国王が挨拶をしたのと同じようなカメラワークで。
ノルウェー語、スウェーデン語、ドイツ語、英語とゲルマン系の言語づくしの中で、サーメ語はなんとも異国情緒あふれる響き(フィンランド語っぽいような)。ちゃんとノルウェー語(ブークモール)の字幕付き。
自分はサーミ語どころかノルウェー語もよくわからんので、ぼーっと画面を眺めながら「うわ、衣装がかわいい! オネアミスの翼みたいだ~」と、マニアな感想を述べると、じーっと字幕を目で追っていた同居人が「ノルウェー政府がサーミ民族のためにファンドを用意したってさ」と、ぽつり。
「ふーむ、で?」
それが誰にとってどういう価値のあるニュースなのか、自分には判断が難しい。
いったいどんなコメントをしたらいいのだ??
「昔、ノルウェーがサーミ民族に厳しい同化政策をとったことを反省して、サーミ民族文化の保護のためにファンド(信託基金?)を作ったってこと」
ふーむ、で。。。?
人口約470万人というノルウェー国内において、サーメ人は推計6~10万人。
ラップランドの北方原住民というと、おそらく日本ではフィンランドのイメージが強いかなと思いますが(そうでもない?)、実はノルウェーがダントツで多いそうです(多い順だと、ノルウェー>スウェーデン>フィンランド>ロシア。現在では、4つの国家間を横断して結成されたサーメ評議会もあります)。
19世紀末に統一国家建国を進めるにあたり、少数民族にもノルウェー風への改名、ノルウェー語の教育、国家宗教(ルーテル福音派)への登録。。。と、ノルウェー流儀を押し付けてきました。
その後色々あって、ノルウェー政府側でも反省し、サーミ民族に謝罪や補填を行い、議会設立を援助したり、文化保護基金を設立したりしているそうです(ファンドの設立は2000年からとのことなので、別に目新しいニュースではないです)。
ふーむ。。。
たとえば両親ともに外国人でノルウェーの血が入らない移民2世であっても、ノルウェーに住まいノルウェー語を話す限りは外見が多少異なれどノルウェー人。みんな等しく同じく「平等」なノルウェー人。
ノルウェー大使館の機関紙が「Equal」なくらい、「平等」という言葉が大好きなノルウェー。
(「均一」という意味での「平等」ではなく、個人間の差異があっても受益機会が公平であるという意味での「平等」ですよん。もっとも移民と原住民では意味合いが異なりましたね。。)
ふーむ。。。
まぁなんというか、実に微妙な問題なので、ガイジンの自分が余計な口を挟む余地はありません。。
どこの国も、なにかと色々と、難しいですね。
さて、明日はノルウェーからオスロフィヨルドを経てドイツのキールという港町を目指します。
♪ちゃらっ ちゃっちゃーら ちゃーららっ らっらー るーるーるーる。。。
ぐはぁ、終わらん。。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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