3連休の最終日は城ヶ崎のあかねの浜へ。
本当は今シーズン4回目の城ヶ崎ですが、3回目は右肩を痛めて登っていないので「#3」。
ヨセミテブースターが入りクラックモードフルスロットルのFさんが、YPさんとOさんと一緒に城ヶ崎ワンデイに行くというので、どこか岩でも~と考えていたYさんと自分も参戦(乱入)。
途中一切休憩をとらずに過去最速であかねの浜に到着すると、すでにYPさんとOさんがトップロープで登っては降り、降りては登り…で、なんとすでに3本目だとか。なんというスポ根…恐ろしい子!!(意味なし)
自分は…といえば、黄砂べったりの雪面を漕ぎ続けたためか腕の張りが抜けた感じがせず、登る前からまったりモードだったので、みなの勢いに呑まれそう。。
ぼちぼちっと装備を整えて、ちょうど空いていた「キャンドル(5.7)」でアップ。
うーむ、朝イチは緊張~。でも、この緊張がまたいいのです。多分。
前回は下部を右から回り込むルート取りをしたので、今回は真正面から登ろう~と意気込んでみたものの、予想よりも手とバランスが悪くて苦戦。ホールドが濡れているし。。(汗)。のたのたと登っては降りて降りては登りを繰り返し(すみません)、なんとか正面突破に成功。まっすぐなライン取りの方がぐっとステキなルートだと改めて実感。
その後、「イソギク(5.7/5.8)」と無名ルート右(5.7Rくらい?)をトップロープで2本連続で登らせていただきました。トップロープだから安心…とはいえ、2本連続でも十分疲れるような。。なのに3本とか4本連続とかYPさんもOさんも凄すぎる。。恐ろしい子!!(言ってみたいだけです。ごめんなさい)
岩場はのどかな春の陽射しに満ちてぽかぽか。大島、利島の島影も真冬に比べるとだいぶ儚げ。
いつの間にか人が増えてきて岩場は賑やか。どのパーティもそこそこ少人数で、みなそれぞれのペースで登ったり休んだり…という感じ。
しばらく休憩した後、Yさんが、面白そうだと「ライトトレイン(5.8)」にトライし、見事一撃。なるほど面白そうなので、自分もトライ。ハング下まで良いプロテクションがとれずやや緊張。ハング下をトラバースすると後は易しいものの、回り込む箇所が狭くてもぞもぞもそもそ。またしてももたもたと時間をかけてしまいましたが、どうにかFL。
ロープの流れはあまり良くなかったけれど、ルート自体は面白かったし、本数稼ぎも兼ねて再度TRでトライ。流れ止めのセットがないと、落ちたら振られて大変なので、TRでも緊張感はたいして変わらないような。。
←ライトトレイン上部からパチリ。
午後になって次第に日が傾き始めるも、あかねの浜は開けているので一日中陽が当たり快適。なにより真冬よりも断然日が長い。
YPさんが見事にRPした「ツワブキ(5.10a)」を、自分もトップロープで触らせてもらう。下部はどうということもないけれど、上部5mのクラックパートが辛くて面白い。リードで登るのは難しいけれど、いつか。
あと、もう少しサクサク登れるようにならないとダメだなぁ。。と、反省。時間かかり杉。。
Fさんたちは3人合計したら余裕で50本越えなのではないかな~というくらい沢山本数を登り、Yさんもスキー遠征の疲れが抜けてないのにカムカムフライデー(5.10d/5.11a)をTOするなどバンバン登り、実は自分が一番セーブモードだった訳ですが、それでもお腹いっぱいになりました。楽しかったです。ありがとうございます。
***今回登った(触っただけの)ルート***
・キャンドル(5.7) - 再登。真正面ルートではFL。やっぱり真正面からがスッキリ。ただ、核心抜け口後のプロテクションがうまくとれず、ランナウトさせてしまいました。
・イソギク(5.7/5.8) -TR。100岩だと5.7。杉野氏のサイトでは5.8。上部核心は前回より楽に感じたけれどTRだしね。やっぱり10台そこそこの人がリードするには辛いような。。
・無名ルート右(5.7Rくらい?)-TR。面白いルートだけど、上部のクラックがvery thin(だと思う)。プロテクションのセットがわからぬ。。のでリードしたい気持ちになれませぬ。。
・ライトトレイン(5.8)-FL。カムがガッツリ効いて面白かった。杉野氏のサイトには「ハング下をアンダーで」とあるけれど、アンダーは使わなかったなぁ。。右壁直上は10a、TRでハング直上は12aだとか。
・ライトトレイン(5.8)-TR。ルートを覚えるためと、本数稼ぎ。落ちれないのはリードもTRも同じで緊張感持続(汗)
・ツワブキ(5.10a)-TR。TRだからえいやっとノーテンで抜けた。でもリードするには登攀力と精神力が足りない。鍛えよう。。
・ツワブキ(5.10a)-TR。1便目でノーテンだったからいけるわ~と思ったら見事にワンテン。あちゃー。
■おまけ。
ちょっと気になったので、画像で検証。
左: 2009年1月25日
中央: 2009年12月6日
右: 2010年3月22日
岩場の突端にある星穴(というと妙義になっちゃうのかな)が1年前に比べて若干大きくなったような気がしたので、写真を見比べてみたら、やっぱり大きくなったような気がしなくもなく。。。(て、どっち?
穴上部に残っていた岩が、昨年末の地震で少しばかり落ちたかな。。変わらないかな。。
いまだログっていない山スキーの記録(羊蹄山、妙高三田原&黒姫、湯の丸)を積み残しつつも、蔵王の山スキーの記録。
■3月20日(土) 埼玉~宮城 澄川スノーパーク ~ リフト最上部 ~ 刈田岳山頂 ~ 馬ノ背上部/樹氷原 ~ 山形 ライザスキー場 (往復して、澄川スノーパークに帰還)
3月19日(金)夜にリーダーのNさん宅に集合し、軽く呑んだ後仮眠。3時半に起きて東北道を一路北へ。
翌朝8時半頃、宮城県側にある澄川スノーパークに到着。予報によれば、晴れときどき曇り。朝の時点ではまだ風はそれほど強くない。
スキー場のリフトを3本乗り継いで1382m地点へ。スキーにシールを貼り、10時15分に歩き出し。
しばらく雪上車の周遊コース跡を辿り、明瞭なトレースと赤札に従って聖山平のなだらかな樹林帯へ。刈田岳の山頂付近を遠望。ルートを示す鉄パイプが密な間隔で続いている。「中央コース」と書かれた年代ものの立て札もある。(リフト最上部を少し下ったところからこの中央コースは始まっていました)
しばらく稜線を上がると、次第に傾斜も上がる。黒い外壁の避難小屋までもう少し。標高が上がったためか、次第に風が強くなる。山の上の空は曇りがちだけれど幸い視界は効く。振り返ると平野部は明るい陽射しに満ちている。
雪が薄付きになりところどころにある岩を避けながら歩いていくと、右手に凍結した御釜と熊野岳に続くたおやかな稜線が見える。立ち止まっていつまでも眺めていたくなるような風景。
とはいえ、風が冷たくなってきたので先を急ぎ、11時半に避難小屋に到着。ここでスキーを外して小休止。
←山頂にものすごい立派な神社があって、ちょっと驚く。でも夏道なら車で山頂直下まで上がることができるので、驚くほどのことではなかった。。
ほぼ廃墟と化した北都交通のリフト跡の建物に「県境裁判を忘れるな 」とペンキ書き。なんだか物騒な感じでちょっともにょる。
お天気は良く、残念ながら樹氷はもうないけれど、広々と広がる雪原は癒しの風景。
あっという間に、1450m地点の、蔵王ライザワールドスキー場上部に到着。この時点で12時25分。圧雪されたゲレンデは滑りやすくて(苦笑)、一気にゲレンデ下のレストハウスまで滑降。
レストハウスで評判の石釜焼きピザを注文し、ビールを飲みつつしっかり休憩。また来た道を帰らなくてはならないのだけど、なんとなく勝手が分かった分安心してしまい、なんとなく一仕事終わった気分でいっぱい。。
13時半にレストハウスを出てリフト券を購入し、リフトを2本乗り継いで、1時間ちょっと前に降り立った1450m地点に逆戻り。13時50分にシールを付けて歩き出し。
スキー場上部は陽射しが暖かく、ほとんど風もなく快適。ただ、遠くに見える刈田岳の山頂付近はすごい勢いで雲が流れていく。
その分、視界不良のときにはロストしやすいためか、山形側も宮城側と同じように金属パイプのポールが密な間隔でルートを示している。
蔵王エコーラインを横切るところで、Nさんが山頂付近は風が強そうなのでエコーラインを行こうと提案。確かにシールが吹き飛ばされたらたまらないし、黄砂のせいで滑りを楽しめるコンディションでもないのでそのままエコーラインを辿り、大黒天から中央コースに戻り15時半に澄川スノーパーク上部に無事到着。
ついでにゲレンデを1本滑っておしまい。ふ~。なかなかに長い一日でした。
翌日は荒天の予想の前日に、まんまと逃げ切るように刈田岳を往復することができてよかったです。
滑ったというよりもたくさん歩いたなぁ~という感じでしたが、東北の山々の風景や噴火口の御釜を眺めながらの、歩いていてとても楽しいルートだったので大満足。ありがとうございました。
風はあるものの晴天の下、無事にオールフリーで小同心クラックを登攀し、横岳山頂に出て癒しの硫黄岳経由で赤岳鉱泉ベース戻り。
以下、記録です。相変わらず短くまとめるということができません。。
*****
■3月13日(土) 曇り時々雪、美濃戸口~赤岳鉱泉~大同心稜偵察
去年の12月くらいからYさんと「今年は小同心クラックに行きたいねぇ」と話していたものの、なかなか機会が得られず。2月半ばから雨の多い週末を恨めしく思いながらも、チャンスを窺う。「今度こそは」と狙っていた週末。土曜日はイマイチながらも日曜日は晴れの予報。キタ。
土曜日の朝、都内を出発。途中で買い物をしつつ10時前に美濃戸口に到着。うっすらと霧雨が降ったり止んだり。装備を整え10時20分頃に美濃戸口を出発。
前後して複数のガイドパーティ団体さんたちも出発。11時20分に美濃戸山荘に到着。小屋の前は沢山の人で賑わっている。一休みしてすぐに出発。前後して、自分達を含めて総勢20名ちょっとで南沢の林道を埋める。南沢の赤い川床の上を雪解け水がざばざばと流れていく脇を右岸左岸とえっちらおっちら。
ものすごい人数だけど、どのパーティも適度なペースを維持していたので、渋滞に合うこともなく(幸い渋滞を引き起こすこともなく)。
樹林帯の中の景色は一向に変わりばえせず、細かい霧のような雪の舞うけぶった視界の中、淡々と歩く。ふと唐突に目前に鉱泉のアイスキャンディーが現れた。「あ、着いた」。霰のような雪が風に舞う中、午後1時半に赤岳鉱泉に到着。気温はマイナス5℃くらい。それほど寒くない。
自分達が目にしているだけでも相当数の人が赤岳鉱泉入りしているので、快適なテン場が確保できるかどうかが不安だったけれど、予想に反してテントはまばら。到着時点で5張弱。結局、自分達も含めて10張くらい。
狙っていた快適なテン場を無事に確保し、しかも1週間前の降雨のお陰か下地ががっつり固まっていたので簡単に整地するだけで終了。荷物をテント内にしまい、サブザックに必要最小限の荷物を入れて大同心稜への取り付き点を偵察。
硫黄岳への登山道を登り、まもなく右手に現れる大同心沢の道標を見た瞬間、「あぁ、これなら大丈夫」とYさんの安堵の声。トレースは一般登山道並みにばっちり。大同心沢に沿って100mほど歩くと、右岸から大同心稜への取り付き点もくっきり。
ひとつ肩の荷が降りた気持ちで偵察から戻り、小屋で受付をしてビールを買い、テント内で明日の準備と夕食。今回の食担はYさん。なんとデザート付き。びっくり。おいしゅうございました。ありがとうございます。
地図やガイドブック、過去の記録をプリントアウトしたものを広げてしばし検討。ガイドブックには「初級、入門」といかにも楽しそうな文句が踊る。でも騙されないぞ(笑)と思う。
外は、雪は止んだものの相変わらずガスっぽく風雪が舞っている。19時に就寝。
夜中に何度か目を覚ます。0時半頃にトイレに向かうために外に出ると風は収まり、空には満天の星。テント内は霜がびっしり。気温はマイナス6度くらい。この後さらに冷え込んだようで、起床時にはプラティパス内の水が半分凍りかかっていた。
■3月14日(日) 晴れ、赤岳鉱泉~大同心稜~小同心クラック~横岳~硫黄岳~赤岳鉱泉~美濃戸口
3時45分に起床。立て続けに、セットしておいた携帯電話のアラームが鳴る。お湯を沸かしてめいめい朝食。まだ胃が起きていないので食欲はまったくないものの、登攀中は飲食できないので、無理やり流し込み。4時半過ぎに小屋のトイレに寄り、アイゼンを装着。外はまだ暗いけれど、うっすら稜線が識別できる。星はあまり見えない。無風。ぼちぼちあちこちで動き出す気配が濃厚で気が急いてしまう。5時10分に出発。
昨日偵察した大同心沢に入ると、今日ついたトレースは見当たらない。どうやら本日の一番乗り。ラッキー。
尾根伝いの急な登りをトレースを追いかける。ときおりずぼっとはまるもののほぼノーラッセル。次第に周囲が明るくなり途中でヘッデンを消す。左に硫黄岳、右に阿弥陀岳がくっきり。山頂付近は朝陽を受けて赤い。
傾斜はいよいよ増し、眼前に威圧的な大同心が現れる。右手のルンゼを挟んで小同心と、縦に走る明瞭なクラックも。一気に心拍数が上昇。落ち着け、自分。
草付きに薄いウィンドクラストが張り付いた斜面を上がり、6時10分過ぎに大同心基部に到着。森林限界を越えたためか風が出てくる。
最初、下の段から回りこもうとYさんが先に進むものの、あまりよくなさそうなので上の段からトラバースすることに。このとき、自分は足をもつらせて5mばかり斜面を転げ落ちて…止まった。
まだ登ってもいないのに…と安堵と共に内心苦笑。気をつけなくては。
上へ下へとルートを探りながらトラバースを続け、なだらかに開けた小同心基部に到着。この時点でちょうど7時。
風はいよいよ強く、赤岳方面から吹き付ける。登攀準備を整える。大同心の基部に後続パーティの姿が見える。
1P(35m、Ⅳ-):自分リード
1P目は自分が行きたいと希望していたので、リードさせてもらう。ビレイポイントは残置ハーケンが2枚。「ピッケルは邪魔になるから」と、以前このルートを登ったことのあるYさんからのアドバイスを受け、ピッケルをビナのホルダーにしまう。
「じゃ、お願いします」「はい、行ってらっしゃい」と、登攀開始。この時点で7時半前くらい。
チムニー内部に入り過ぎると身動きがとれなくなりそうなので、なるべく外側のスタンスを拾って登る。楽しい。30mほどの地点にペツルのアンカー。なるほどこの先は小核心なのかな。頭上にピナクルのシルエットと空が見える。あと5m弱。3、4手か。ぐいぐい登ってピナクルのテラスに到着。
ペツルのアンカー1つと、リングボルト2つの支点からセルフビレイをとり(人気ルートだからかピナクルのテラスの奥にもペツルが2つあった)、笛を鳴らす。と、「ビレイ解除?」としたからYさんの声。テラスから下を覗くと、取り付き点が丸見え。なんだ。
ルベルソキューブでオートブロックビレイをセット。岩に当たるからかロープがやたらと重い。
背後に見える大同心の存在感が圧倒的。今日はまだ誰も取り付いていないようだ。
セカンドのYさんはするすると登って来、そのままリードで2P目の登攀開始。すぐに後続パーティのリードも登って来られ、しばしお話。
2P(45m、Ⅳ-):Yさんリード
1Pの抜け口から上のチムニーへとYさんの登っている様子がよく見える。するすると淀みなくロープが流れ、あっという間にロープ半分。岩壁上部に姿が消え、その後もロープが出ていく。気付いたら残り10mもない。はっとして声をかける。確か2P目は35mのはず…と思っているとロープがいっぱいに。
風が強くコールが届かないけれど、ロープがぐいぐい引かれる手応えがあったので自分も登り始める。2P目もガバが多く快適なチムニー登り。開いた両足の真下に空間が広がり高度感はたっぷり。ただ、チムニーなのでなんとなく安心。残置ハーケンや岩角にセットされた支点を回収しつつ、35mほど登るといったんバンドに出る。目の前にペツルの支点とチムニーの続き。ここが2P目の終了点?と思いながらも上から伸びるロープを追って先を急ぐ。チムニーの幅が狭くなり、ギアラックやヘルメットが引っかかる。身体を振ってチムニーの外のホールドを拾いつつ登り、小同心の肩に到着。
小同心の肩にもペツルのハンガーが2つあり、Yさんはそこでビレイ中。目の前に4mほどの壁。その上が小同心の頭か。Yさんは「60mロープだったら、小同心の頭まで伸ばせたのになぁ」と残念がる。
稜線に出ると風は一層強く右から吹き抜けるけれど、陽射しが暖かい。
(この2P目と3P目のの写真を撮り損ねてたいへん残念です。。)
3P(10m、III):自分がリード
小同心の頭に直登するルートも面白そうだったけれど、左のバンドから草付きの方が行きやすいよ、というYさんのアドバイスを得て、ロープを付けたままちょっと偵察…のつもりが、あっさりと小同心の頭に出てしまったので、スピード重視ということでよしとする。ここにもまたペツルのハンガーが2つ。セルフビレイをとり、肩がらみで確保。すぐにYさんも到着。横岳山頂直下の岩場を通過するパーティが見える。あと一息。
4P:雪稜をコンテ
ロープを半分ずつに束ね、雪稜をコンテで進む。振り返ると自分達のトレースが小同心の頭からぽくぽくと続いている。
5P(25m):自分がリード
最初にYさんが様子を見にロープを伸ばす。岩に氷が張り付いていて手が悪いらしい。右も左も切れ落ちたルンゼで岩場の先が山頂だから、やっぱりここを登るしかなさそう…。イチかバチかで、自分にリードを交替してもらう。
一段上がったところに古い残置ハーケンがひとつ。雪を払うと、その上にハーケンがもうひとつ。目の前のバンドに上がれば良いのは分かるけれど、いまいち手が悪い。ガツガツとピックで周囲の氷を叩き落す。剥がした氷の下から、胸のあたりにリングボルトが現れる。これで残置支点が3つ。届く範囲のホールドを手探りで確認し、スタンスの順番とムーブを予想する。あとは行くしかないな~と、ワンポイントの乗越しで小バンドへ。そこから右に進み上を目指すと、横岳山頂に、ぽんと出た。おお。うれしい。この時点でほぼ10時。
写真を撮りまくり、ロープやギアを片付けてのんびり休憩。絶景かな、絶景かな。
当初は地蔵尾根経由で赤岳鉱泉に戻る予定だったけれど、自分は硫黄岳山頂に立ったことがないのと、山頂直下の岩壁から見たなだらかな稜線が魅力的だったのでぜひにと硫黄岳経由を希望。
折りしも後続パーティのリードの方を迎え、10時40分過ぎに硫黄岳に向けて出発。
11時35分に硫黄岳山頂着。樹林帯に入ると風は収まり、陽射しが暑いくらい。
12時25分にテン場に戻り、お昼ご飯を食べてそそくさと撤収開始。14時前に赤岳鉱泉を出発し、来たときと同じ南沢経由で下山。下の道はすっかり雪がぬかるみ、小さな流れをつくっている。もう春なんだなぁ。
15時半に美濃戸口の駐車場に帰還。樅の木の湯で温まり、一路帰京。
*****
雪で斑な黒い岩壁、顕著なクラック、八ヶ岳特有の丸っこいホールド、ペカペカのペツル、切れ落ちたルンゼ、仰ぎ見たスカイライン、空の青さ…etc. 脳裏にまざまざとフラッシュバックします。
登攀日和の晴天の中、人気ルートにも関わらず一番乗りでき、オンサイト、オールフリーで登ることができてよかったです(しみじみ)。
「冬壁入門」と言われる小同心クラックは、なるほどエキスパートな人たちにはお手頃なルートなのかもしれないけれど、自分にとってはほどよい楽しめほどよく緊張させられたルートでした。ありがとうございます。
他の山レポも溜まっているし、写真がまだカメラの中なので、詳細はとりあえずあとで。
阿弥陀南陵は初めて登った冬山バリエーションルート。なので、2回目の今回はある程度勝手が分かっているつもりでしたが、やっぱり冬山はその都度の状況で変わるので、いいルートは何度訪れても面白いのだな~と。
今回は2日間ともバッチリ晴天に恵まれたうえに、ラッセルなし渋滞なしトレースバッチリという最強のコンディション。雪の付き具合もよくてサクサクザクザク。
無駄なくほどよいペースでひたすら楽しい冬山バリエーションでした。
みなさま、ありがとうございます。
で。日頃の寝不足がたたってか、家に帰り着くやさすがに今回は編み物をする気力が湧かずひたすら爆睡。
そんなにガッツリな山行ではなかったし、ちゃんとご飯も食べたのに(おいしかった~)、今朝目が覚めたら筋肉が痩せてしまっていることに気付いてびっくり。慌ててアミノ酸サプリをガブ飲み。
女性誌の特集記事で「速攻ダイエットに効く! 冬山バリエーション入門」とかあったら面白い(?)かも。
「厳冬期の山ガールコーデはコレで決まり! 八ヶ岳編」とか。嘘です。すみません。
土曜日の早朝に雲ひとつない都内を抜けて一路北へ。那須高原に近づくにつれて空はどんより鈍色になり、高速道路に降雪。低気圧の通過が予報よりも遅れている様子。ふむぅ。
那須市内に入ると雪はどんどん強さを増し、ボルケーノハイウェイでは前方にスキーバスがスタック中。
この日は赤面山で山スキーの予定でしたが、この様子では無理だろうということで中止に。
すぐそばの殺傷石園地駐車場に車を止め、温泉神社脇から牛ヶ首に続くハイキングコースをハイクアップ。
途中にある道標に従って進んでいくと、標高約1,000mの地点で深い谷間にかかる簡素な橋(というか温泉の導管)が登場。おそらく夏はつつじ橋という吊橋がかかる場所っぽい。
冬季は吊橋が撤去されているのか、みるからに危険なのでここで終了として引き返すことに。歩き出しから1時間ちょっと。
ロープウェーから山頂を経由せず、ダイレクトに牛ヶ首を目指す登山道なら、いったん高雄温泉の集落に入って高雄登山口に出るところ、どうやら「殺傷石-展望台コース」に入ってしまったもよう。
シールを外して来た道を戻ったら、あっという間に殺傷石駐車場に到着。
今改めて2万5千図を眺めてみると、高雄温泉から上のあたりはどこでも滑り放題っぽく見えるのがちょっと残念。
でも、手付かずの新雪を楽しくハイクアップできたのでよかったです。メンテを怠っていたせいで板に雪がついてすべりが悪かったのは反省点。。
翌日の日曜日は雪は止んでいたものの強い風がごうごう。那須の茶臼岳を登るつもりでしたが、これでは無理そうなので大丸駐車場周辺を散策するということでひとまず大丸駐車場へ。
途中、除雪が間に合わず、もふ雪にタイヤをとられたりホワイトアウトしたり。。今回は車の運転が一番の核心だったと思います。ありがとうございます。すみません。
まぁ、そんなこんなんでどうにか大丸駐車場に到着し、スノーシューで林道歩き。もっふもふのパウダースノーで、スノーシューを履いていても膝上のラッセル。ツボ足だったら腰上まで埋まりそう。
小一時間ほどでロープウェー乗り場まで到着。この先、樹林帯に登山道が続きますが、身体ごと吹き飛ばされそうな強風が断続的に吹きつけてくるので、本日はここにておしまい。小休止した後、来た道を戻ると、あっさり大丸駐車場に到着。下りは早いな~。
まだ時間が早いので、弁天駐車場から休暇村付近をお散歩しようかと移動したものの、どうやら分岐を間違えてボルケーノハイウェイ方面に入ってしまい北温泉方面に向かってしまったので、そんではいっそ赤面山にいってみるべ~と休業中の白河スキー場まで足を伸ばすと、そこは猛烈な地吹雪地帯。。
もとから禿山なのか、スキー場開発に伴って樹林が伐採されたのかはわかりませんが、樹林帯がない分斜面の雪がもろに吹き付けてきます。これではスキー場が休業となったのももっともだなぁ~。。という感じ。
傾斜そのものは緩やかで快適そうだし、この辺りはパフパフの乾雪なので、スキーで滑ったらとても楽しそうですが。。お天気次第だなー。
んで、帰路に着く途中でアルパカ牧場に立ち寄ったらCLOSEDでした。残念。
那須の茶臼岳は以前、夏山を2回登ったことがありますが、いずれもロープウェイを使って山頂までのお手軽山登り。
山頂から間近に見える、けれども遠いので足を伸ばすことはできずに眺めただけの剣が峰や朝日岳、三本槍岳、また、山頂からはるか遠くまで連綿と続く南会津方面の山々が印象的で、いつかその先に行きたいなぁと思いながら、なかなか機会がありませんでした。
まぁ、またいつの日にか。
週末は3年連続となる北海道スキーツアー in ニセコ。
今年は初めて山スキーの装備で赴き、1日はゲレンでスキー、1日は羊蹄山で山スキーを満喫。
北海道支部長の心尽くしを受け(ありがとうございます)、北の幸を食べまくり。
胃液が薄まるほど呑みまくり(思い出すと辛い^^;)。
先週からクライミングのスクールが始まったこともあり、なるべく節制しなくては…なんてねぃ、自分には無理な話。。
土曜日はニセコのグランヒラフでゲレンデスキー。
この日は一日中雪が降っていたため、開放されているゲート外のコースを滑っても、リフトで戻る頃にはまたパウダー。
去年よりも降雪に恵まれているものの、週の半ばに雨が降ったそうで、場所によっては踝あたり、吹き溜まりは膝くらい。
自分は今期初スキーで、しかも今回初めての兼用靴。
足首が柔らかくてなんだか心もとないけれど、こればかりは慣れるしかなさそう。。まぁがんばります。
でもゲレンではゲレブーがいいな。うん。
日曜日は羊蹄山へ。真狩登山口から歩き出し。歩き出しがゆっくりだったのでトレースはばっちり^^;。
登山口に着く頃から青空がちらりとのぞきはじめ、どんどんと雲が晴れて山頂が見えるほどの好天。麓の風景もばっちり。
「普段ならこんなにゆっくりシールなんて外していられないんだけどねぇ~、寒くて」だそうなので、本当にお天気に恵まれました。
樹林が乏しくなり、雪面がカリカリとウィンドクラストし始めた森林限界を越える少し手前からドロップイン。
100mほどのカリカリゾーンの下は、登山道合流点までずっとぱふぱふのパウダー。
もうこれ以上望むことはなにもない、というくらい最高の山スキーでした。
みなさま、ありがとうございました。
あ。今度はスキー靴の左右を間違えないようにしたいと思います(←あほ)。。
自分を含む4名で先に1月16日(土)のお昼に都内を出発し、土合山の家の裏手で雪洞掘り体験。残念ながら雪の締まり具合がよくなく(週半ばからの降雪部分、表層から40cmまでは結晶状態のまま)、内部を掘り進めるとすぐに奥に下に土が露出。斜面に沿って横に広げているときに「ばふん」という音と軽い衝撃。気付けば天井が抜け落ちていました。どっとはらい。
時すでに18時で周囲は暗いしチラ雪が舞っているし…と、土合駅にいったん引き上げ。未練たらたらで土合駅周辺に適当な場所を探すもののどうも見かけに比べて雪の質量が少ないので、結局土合駅で駅ビバーク。
お鍋を食べて、ご飯を炊いて、最後はお雑炊。駅の入口の雪壁に小穴を開けてろうそくを並べてプチ雪祭り。
結果はともあれ、それはそれでよい経験になったかなぁと。
翌日、1月17日(日)の朝に天神平ロープウェー乗り場ロビーにて他のメンバーと合流。外は雪。気温はマイナス4度くらい。幸いなことにほぼ無風。
今年の雪訓の参加者は計10名。うち、新人の方多数。
参加できない方から貸し出していただいた結果、今回は全員が3種の神器あり。
講習内容は、
弱層テスト、アイゼンワーク、ピッケルワーク、支点作成(スノーバー、ピッケル、土嚢袋)、スタンディングアックスビレイ、ビーコンを用いた捜索、埋没者のプロービング、ヒューマンチェーンでの要救の移動。
ひとつひとつの内容は割合と駆け足で行ったにも関わらず、午前9時前から始めて終了したのは午後4時近く。休憩時間が結構長かったこともあるけれど、えっもうそんな時間? という感じ。
できるだけ多くの方ができるだけ継続して参加し(去年参加したから今年はもういいやではなくて)技術を新しい人に伝えていく、自分もまた復習する、みんなで理解する、という形で今後も継続できればよいな、と思います。
■雑感
・自分は今回で3回目の雪訓参加だけど、今回が一番プラトーを整地しにくい雪質だった
(都岳連の雪山レスキューのときよりも。陽のあたりにくい東斜面だから?)
・斜度のある場所だったので、プラトー整地に参加できる人数が限られてしまった
(ま、見てばわかる程度のことなんだけど、プラトーづくりが一番大事なので)
・土嚢袋最強伝説続く
(雪質によりけりではあるけれど、摩擦が高いからかな。だとしたら、スノーバーも表面をうろこ状に加工したり、ウッドチップを貼ったらちっとは違うかも?)
・スタンディングアックスビレイ用に30cmスリングがおすすめ
(というのを言い忘れた。言ったけど)
・マムートのビーコン最強伝説続く
(トラッカーも優秀。アンテナ数の違い? ピープスフリーライドは斜度があると難しい。でもないよりははるかにイイ)
・Tさん探しちゃった事件(?)
(SearchモードからSendモードへの切り替え時間が短いと現場の混乱原因になりますな)
・雪訓の際はそれほど身体を動かさないので、ダウンミットさまさま
・ロープワークをもう少し含めることができたらよかったかも
・昼間の雪洞にローソクを灯すと、なんだかお宮っぽい。。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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