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Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by - 2025.01.23,Thu
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Posted by norlys - 2008.10.24,Fri

コンビニの雑誌コーナーを眺めていたら、マガジンハウス社刊の「BRUTUS」(650号)に目が留まりました。
表紙は週刊文春と見間違うようなテイストの山のイラスト、極めてシンプルにテキスト2つ。「山特集」と「ワンダーフォーゲル主義」。

BRUTUSのWebサイトによると、
山頂を目指すことが目的ではなく、森の中を彷徨い歩くことを楽しむ「ワンダーフォーゲル」が今号のテーマ。
だそうです。

ちなみに、ワンゲルとは↓
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ワンダーフォーゲル(独:Wandervogel)は、戦前期ドイツにおいてカール・フィッシャーらがはじめた青少年による野外活動である。またそれを元にする野外活動を率先して行おうとする運動。1896年にベルリン校外のスティーグリッツのギムナジウムの学生だったカール・フィッシャーがはじめた。
* * *
19世紀後半のドイツにおいての急激な近代化に対する広い意味での自然主義の高揚を背景としている。
はじめ、フィッシャーらは男の子ばかり郊外の野原にでかけてギターを弾き、歌を歌った。そのうち、グループの緑の旗が出来たり、男の子は半ズボンに、ニッカーボッカーのようなスタイルになり、女の子も参加するようになる。 (from Wikipedia)
--------------------------------

もともとは、「登山」というよりキャンプなどの「アウトドア」を指していたのか。知らなんだ。

日本の場合は、たとえば山岳部とワンゲル部との活動内容に明確な差はないような気がしますが(むしろ活動主体ごとに異なるらしい)、ここでBRUTUSが提唱するワンダーフォーゲルとやらは、いわゆる「トレッキング」なのかしらん。。と、おひとつ購入してみました。

で、特集内容はこんな感じ。

--------------------------------
<アメリカ編>
「松浦弥太郎、世界で最も美しい道、ジョン・ミューア・トレイルを歩く」
ヨセミテとヨセミテクライマー達 (平山ユージも登場)
サンフランシスコのアウトドアショップ紹介
「エポックメイキングとなったアウトドア道具の歴史と進化。」

<日本編>
「日本の登山史と名トレイル」
アウトドア関係者さんたちが選ぶ「ワンゲル」どころ
「ロープウェイでらくらく山登り」
建築家、吉阪隆正氏 (登山家としても活躍し、山小屋を設計された日本の近代建築家)
「一度は訪れてみたい。魅惑の山小屋セレクト8軒」
「本の山」 (山関連図書あれこれ)
「山の文芸誌『アルプ』が遺したもの」

その他、アウトドアメーカーの広告連動記事。
--------------------------------

ほ~お。

BRUTUSの特集で描き出される山はあくまでもイチ個人のライフスタイルとの関係性にあり、「Be-Pal」のようなファミリー層を対象とするアウトドア入門誌とはこの点(子供や家族という観念が存在しない)が決定的に違います。

また、「山と渓谷」や「岳人」などの山岳雑誌(最近はほとんど購入してないな。。)とも異なり、カルチャーやファッションと山との関係という切り口も面白いです。スポーツではなく、ライフスタイルなんだ、と。

山岳雑誌がしばしば取り上げる「安全知識・技術、環境保護問題」といった人間と自然の対立というテーマがすっぽり抜け落ちていて、かといってロハス(笑)を主張するわけでもなく、あぁこれがドイツで提唱されたワンダーフォーゲルの原型なのかな。。という感じ。

たぶん日本語一語で表すとしたら、ここで語られるワンダーフォーゲルとは、「逍遥」。
(まさにWebサイトの説明どおりですね。どうも、自分はワンゲル=ガッツ登山という先入観に囚われているようで。。)

いやさ、ぶっちゃけ正直なところ、最初は「BRUTUSが『山特集』だって。ぷぷぷ」と侮っておりました。
(底意地の悪い人間なので。。)

で、「なんでトレッキング至上主義でいきなりヨセミテとクライマーが出てくるんだよ~」とひとりで突っ込んでみたり、アメリカと日本のトレイル紹介ページの後にある「ロープウェイでらくらく山登り」というページに苦笑してみたり、「一度は訪れてみたい。魅惑の山小屋セレクト8軒」というコピーに突っ伏してみたり(山小屋の形容詞に「魅惑」とは! )。。と、いくつか面白ポイントはありましたが、これはこれでアリだよな。。と思い直しました。

ただ1点、ほんとうに惜しむらくなのは、今年の夏山のシーズンはすでに終わってしまっているということ。

紅葉を愛でにロープウェーでアクセスできる場所に日帰りハイキングをするなり、低山や里山を歩くにはとても気持のよい季節ですが。。あぁ、信越トレイルを歩きたい。。

おそらくこの特集の本当の対象は、内省的な、「遠くにありて想うもの」というマインド・トリップの象徴としての「山」なのかもな。。なんて、ぽつりと考えてみたり。

ちなみに第2特集は「山とスーツ」。
雄大な山岳風景の中にポツンとクラシックなスーツ姿のお兄さんが写っているモノクロームの写真が数点。

おそらくは(いいちこ焼酎のポスターみたいに)大自然とスーツファッションという対比の妙を狙ったのだろうと思うのですが、クラシカルなスーツ姿といいモノクロ写真といい、一昔前のノルウェーの人物&風景写真を見ているような錯覚。

むしろ狙いはそっちなのかな。Let's go back to the ブリティッシュトラッドと近代登山の黎明期。。みたいな。

なんか面白い。ぐるりと環が一巡して再び廻りだすような感じ。

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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。

色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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