Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by norlys - 2014.09.24,Wed
秋分の日、9月23日は再び瑞牆へ。
当初は久しぶりに谷川へ…と考えていたのですが、よく考えたら準備する時間も足りないし、週末の花崗岩のパリッパリ感が最高で今一度瑞牆へGo。
目指すは、土曜日に取付きを見出すことができなかった十一面奥壁の"joyful moment"(5.9、5P)。
アルパインクライマー&アルパインガイドの佐藤裕介氏が今年の夏に開拓された新しいマルチピッチルート。
火曜日の朝、植樹祭広場の駐車場に到着すると、折しも朝ご飯を食べ終えたアイロンさんとまり。さんたちにお会いし、ご挨拶。ギアやリービテーション談義で盛り上がるなど。割れ目好きの皆さんの情熱とパワーは最高。楽しい^^
まり。さんに「今日こそは”joyful…"に辿り着けるといいのだけど…」とお話すると、「(開拓された佐藤さん)本人に訊いちゃえば~」と、同じく駐車場にいらっしゃった佐藤氏のところにご一緒くださり、直接ご本人からルートの取付きへの道順を伺いました。(ありがとうございます)
そんなこんなで、週末の土日も通った十一面末端壁までの道をぽくぽく歩き、ガレ場をたどって十一面正面壁に着くと、ベルジュの取付きで登攀準備をされていた佐藤氏が「今、取付きまで偵察に行ってきましたが、テープを追えば辿り着けます、大丈夫です!」とのこと。うわわ、すみません。重ね重ねありがとうございます。
かくして、随所に積まれたケルンとふんだんなテープを追いかけると、今度はすんなりと取付きに辿り着くことができました。
前回は十一面正面壁と奥壁と小ヤスリとの位置関係を把握していなかったこともあり彷徨いましたが、分かってしまえば「なんで迷ってしまったのやら…」という感じ(苦笑)。
岩の基部にて装備を整え、リード順を検討。1P目と3P目の5グレードが5.9なので、自分は2、3ピッチ目を担当。
◆瑞牆十一面奥壁、joyful moment(5.9、5P) ※グレードは佐藤氏の発表によるもの
・1P目(5.9)、フォロー
こじんまりした取付きから、日の当たる乾いたフェースを左上するグルーブ沿いに登り、上に見える灌木まで。傾斜はないけれど、朝イチは緊張。溝がフレアしていたり少し土が詰まっているのでカムをセットする場所を選ぶ必要がありそう(自分はフォローなので回収だけ)。
・2P目(Ⅴ級)、リード
1P目の終了点から続くザレの多い短いバンドを「ハイハイトラバース」。左のフレークの基部の脇にある灌木で支点を作成。短いトラバースなのでⅤはないかな。あと、1、2P目を続けてロープを伸ばしてもよさそうだけど、バンド上の浮石と干渉しそうなので確かに短く切った方が安全かも。
・3P目(5.9)、リード
目の前には長い大フレークがどーん。ルート取りは一目瞭然。
出だしと途中に、おそらくは40年モノと思われる非常に古いリングボルトとハーケンあり(使わない…というか、使いたくない^^;)。
ガバが多くジャムもカムも効いてぐいっと登れる感じで楽しい。ただ、一部には風化気味で剥がれそうな部分もあるので慎重に(押してもいいけど引いちゃダメ、みたいな)。
フレーク上から右上気味に灌木帯に入るのが正解だった模様。自分は直上して灌木帯を右にトラバースしたらロープがスタック。結局、少し戻った灌木でビレイ(もたもたしてすみません…)。
小ヤスリ岩にはちっぺこまさんたちの姿が。気持ち良さそう。
・4P目(5.8)、フォロー
自分達の予想では、若干短いながらも「フレアしたワイドクラック」を楽しめるハイライトのピッチ(ビンゴ!)。
バック&フット、アームバー、ヒール&トゥ…と、ワイドムーブ満載で楽しい。足元がフレアした箇所の通過には一手リービテーションも。
ワイドクラックを登った上には、これまた40年代ものと思しき古いリングボルトが3つ+残置スリング。これらはボロボロ過ぎるので、カムで支点を工作。
・5P目(5.7)、リード
奥壁のピークは目の前。ロープを畳んで岩の積み重なる通路を歩いたら、一部悪そうな箇所があったのでワンポイントだけロープを出して奥壁の頂点へ。(強い人ならフリーソロしてしまいそうだけど)
瑞牆山頂方面も小ヤスリも大面・小面岩も、カンマンボロンも、不動沢方面も、もちろん十一面正面壁も間近に見えてとても気持ちの良いピーク。
山頂からは少しクライムダウンし、短いチムニーを登り、再度岩の隙間を縫ってクライムダウン。あとは樹林帯を5分ほど歩いて取付き地点に帰還。
当初は、佐藤氏のグレードで5.9ということは5.10aくらいなのかなぁ…と話し合っていたけれど、実際に登ってみた感想は逆で、ルート名にある通り「Joyful!」の一言に尽きます。
1回目の偵察で敗退しても懲りずに(^^;)登りに来てよかった。ありがとうございます~。
また、支点を含めてルート上に残置類がなく(多少あるけど古すぎるので観賞用^^;)、コンパクトながらもとてもクリーンでナチュラル。なによりも、瑞牆の岩峰群に囲まれた風景が素晴らしいです。
本当にありがとうございました。
***今回登った(触っただけ)のルート***
・joyful moment(5.9、5P)-ジョイフル!
・アウトサイダー・ズルムケチムニー1P目(5.7 NP)-OS。1P目下部のチムニー部分のみ。グレードは体感。ずるむけにはならず、こちらもジョイフル。上部にズルムケチムニー上部に続く古い前進用のリングボルトが3つ続いていました(古いとはいえこちらは10年ものでした)。
・一粒の麦1P目(5.8 NP)-OS。グレードは体感。トポもなく、情報は以前ネットで拝見した記憶頼り。時間も余りないので下部ピッチだけでも~と、偵察がてら。階段状の岩を登り、ワンポイントのハンドジャムで短い壁を乗越して灌木帯へ。
・一粒の麦2P目(5.10b NP)-TR。長く美しいフレーク状のクラック。ギアも気合も時間も足りなかったで、TRで触らせてもらいました(すみません&ありがとうございます)。機会があれば、また今度いつか。
当初は久しぶりに谷川へ…と考えていたのですが、よく考えたら準備する時間も足りないし、週末の花崗岩のパリッパリ感が最高で今一度瑞牆へGo。
目指すは、土曜日に取付きを見出すことができなかった十一面奥壁の"joyful moment"(5.9、5P)。
アルパインクライマー&アルパインガイドの佐藤裕介氏が今年の夏に開拓された新しいマルチピッチルート。
火曜日の朝、植樹祭広場の駐車場に到着すると、折しも朝ご飯を食べ終えたアイロンさんとまり。さんたちにお会いし、ご挨拶。ギアやリービテーション談義で盛り上がるなど。割れ目好きの皆さんの情熱とパワーは最高。楽しい^^
まり。さんに「今日こそは”joyful…"に辿り着けるといいのだけど…」とお話すると、「(開拓された佐藤さん)本人に訊いちゃえば~」と、同じく駐車場にいらっしゃった佐藤氏のところにご一緒くださり、直接ご本人からルートの取付きへの道順を伺いました。(ありがとうございます)
そんなこんなで、週末の土日も通った十一面末端壁までの道をぽくぽく歩き、ガレ場をたどって十一面正面壁に着くと、ベルジュの取付きで登攀準備をされていた佐藤氏が「今、取付きまで偵察に行ってきましたが、テープを追えば辿り着けます、大丈夫です!」とのこと。うわわ、すみません。重ね重ねありがとうございます。
かくして、随所に積まれたケルンとふんだんなテープを追いかけると、今度はすんなりと取付きに辿り着くことができました。
前回は十一面正面壁と奥壁と小ヤスリとの位置関係を把握していなかったこともあり彷徨いましたが、分かってしまえば「なんで迷ってしまったのやら…」という感じ(苦笑)。
岩の基部にて装備を整え、リード順を検討。1P目と3P目の5グレードが5.9なので、自分は2、3ピッチ目を担当。
◆瑞牆十一面奥壁、joyful moment(5.9、5P) ※グレードは佐藤氏の発表によるもの
・1P目(5.9)、フォロー
こじんまりした取付きから、日の当たる乾いたフェースを左上するグルーブ沿いに登り、上に見える灌木まで。傾斜はないけれど、朝イチは緊張。溝がフレアしていたり少し土が詰まっているのでカムをセットする場所を選ぶ必要がありそう(自分はフォローなので回収だけ)。
・2P目(Ⅴ級)、リード
1P目の終了点から続くザレの多い短いバンドを「ハイハイトラバース」。左のフレークの基部の脇にある灌木で支点を作成。短いトラバースなのでⅤはないかな。あと、1、2P目を続けてロープを伸ばしてもよさそうだけど、バンド上の浮石と干渉しそうなので確かに短く切った方が安全かも。
・3P目(5.9)、リード
目の前には長い大フレークがどーん。ルート取りは一目瞭然。
出だしと途中に、おそらくは40年モノと思われる非常に古いリングボルトとハーケンあり(使わない…というか、使いたくない^^;)。
ガバが多くジャムもカムも効いてぐいっと登れる感じで楽しい。ただ、一部には風化気味で剥がれそうな部分もあるので慎重に(押してもいいけど引いちゃダメ、みたいな)。
フレーク上から右上気味に灌木帯に入るのが正解だった模様。自分は直上して灌木帯を右にトラバースしたらロープがスタック。結局、少し戻った灌木でビレイ(もたもたしてすみません…)。
小ヤスリ岩にはちっぺこまさんたちの姿が。気持ち良さそう。
・4P目(5.8)、フォロー
自分達の予想では、若干短いながらも「フレアしたワイドクラック」を楽しめるハイライトのピッチ(ビンゴ!)。
バック&フット、アームバー、ヒール&トゥ…と、ワイドムーブ満載で楽しい。足元がフレアした箇所の通過には一手リービテーションも。
ワイドクラックを登った上には、これまた40年代ものと思しき古いリングボルトが3つ+残置スリング。これらはボロボロ過ぎるので、カムで支点を工作。
・5P目(5.7)、リード
奥壁のピークは目の前。ロープを畳んで岩の積み重なる通路を歩いたら、一部悪そうな箇所があったのでワンポイントだけロープを出して奥壁の頂点へ。(強い人ならフリーソロしてしまいそうだけど)
瑞牆山頂方面も小ヤスリも大面・小面岩も、カンマンボロンも、不動沢方面も、もちろん十一面正面壁も間近に見えてとても気持ちの良いピーク。
山頂からは少しクライムダウンし、短いチムニーを登り、再度岩の隙間を縫ってクライムダウン。あとは樹林帯を5分ほど歩いて取付き地点に帰還。
当初は、佐藤氏のグレードで5.9ということは5.10aくらいなのかなぁ…と話し合っていたけれど、実際に登ってみた感想は逆で、ルート名にある通り「Joyful!」の一言に尽きます。
1回目の偵察で敗退しても懲りずに(^^;)登りに来てよかった。ありがとうございます~。
また、支点を含めてルート上に残置類がなく(多少あるけど古すぎるので観賞用^^;)、コンパクトながらもとてもクリーンでナチュラル。なによりも、瑞牆の岩峰群に囲まれた風景が素晴らしいです。
本当にありがとうございました。
***今回登った(触っただけ)のルート***
・joyful moment(5.9、5P)-ジョイフル!
・アウトサイダー・ズルムケチムニー1P目(5.7 NP)-OS。1P目下部のチムニー部分のみ。グレードは体感。ずるむけにはならず、こちらもジョイフル。上部にズルムケチムニー上部に続く古い前進用のリングボルトが3つ続いていました(古いとはいえこちらは10年ものでした)。
・一粒の麦1P目(5.8 NP)-OS。グレードは体感。トポもなく、情報は以前ネットで拝見した記憶頼り。時間も余りないので下部ピッチだけでも~と、偵察がてら。階段状の岩を登り、ワンポイントのハンドジャムで短い壁を乗越して灌木帯へ。
・一粒の麦2P目(5.10b NP)-TR。長く美しいフレーク状のクラック。ギアも気合も時間も足りなかったで、TRで触らせてもらいました(すみません&ありがとうございます)。機会があれば、また今度いつか。
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Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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