Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by norlys - 2014.10.05,Sun
10月4日、土曜日は瑞牆へ。
先々週に少し余った時間で下部1、2ピッチだけを登った「一粒の麦(5.10c/d、6P)」を再訪。
2ピッチ目の長いフレーク状のクラックが印象的だったけれど、ギアや時間が足りずTRで触っただけなので、ちゃんと登りたいな、と。
朝都内を出発し、瑞牆の植樹祭広場の駐車場に到着して見上げると、ひんやりと肌寒く、末端壁上部付近はうっすらガスの中。けれども岩が濡れている様子はなかったので、ギア類を準備してここ最近何度か通っている末端壁方面の道をぽくぽく歩き出す。
十一面正面壁を越えて奥壁へ。
取付き手前の小さなテラスで登攀準備。
◆瑞牆十一面奥壁、一粒の麦(5.10c/d、6P) ※グレードは主に開拓者の角屋氏によるもの(一部個人的な体感)
・1P目(5.9、20m)、フォロー
階段状の岩場を4mほど登り、少し歩いて3mほどの垂壁のフェイス。ハンドジャムを決めてホールドを拾うワンポイントのムーブ。ほんとワンポイントなんだけど、不要なカムをラックにぶら下げているせいか、先々週に空身でリードしたときよりも悪く、5.9くらいに感じる。そのまま緩傾斜の岩場を10mほど歩いて2P目の取付きまで。出だしにリングボルト(?)を撤去した跡がひとつ。
・2P目(5.10b、25m)、リード
下部のハイライトピッチ。つるべではなく交互にリードでトライ。
一枚の広大な岩面にすっと垂直に切れ込んだフレーク状の長く美しいクラック。
クラックの幅は下部から上部に向って徐々に広くなる独特の形状。ハンドから始まりフィストになり、中間部から上はワイドムーブとレイバックの連続。
極度に悪いムーブはなく淡々と同じような難しさが続く長いクラック。途中で諦めそうになるけれど、とりあえず落ちないので登り続けたらどうにか終了点…という感じ。必要なギアとセットの位置を教えてもらいながらのトライだったので気持ち的には少し楽でしたが、長さもあり緊張しました。個人的にグレードは10ノーマルくらいでもいいかな…と思います。
途中に古い終了点らしきボルトを撤去した跡あり。
まに氏にフォローでもう一度登り返してもらい、登攀続行。
・3P目(Ⅲ級、10m)歩き
灌木帯から、目の前の岩の左側を少し登り、チムニーを歩いて下り4P目のチムニーの前に。
・4P目(5.6、20m)リード(歩き)
目の前のどんと広いチムニーの中を歩き、どん付で右に曲がってさらに歩き。途中に小さな水晶窟がありました。
・5P目(5.7、20m)リード
右手の岩のダブル(トリプル?)クラックの内、一番左を選択。上は内部が湿っぽく大きなカムがないと厳しそうだったので中間で右のクラックに移動。短いワイドを抜けてテラスの奥の灌木まで。
ATCガイドを下に忘れて登り出してしまったので、ムンターヒッチでビレイ(すみません)。
オコジョがぴゅっと岩陰を走り過ぎました。かわいかった。
・6P目(5.10c/d、25m)フォロー
5P目の終了点からルンゼを越えてお隣の岩へ。取付きが少し分かりにくい。
上部に美しいコーナークラックがあるそうだけど下からではそのクラックは全く見えず。
登り始めてすぐのワンポイントの核心は、ホールドを教えてもらえば「なるほど」だけど、自分がもしオンサイトで見出せたかというと自信なし。
ピッチグレードはこのワンポイントについていますが、割合すんなり越えてしまったまに氏いわく「10a」くらい。それはさすがに辛すぎな気がしますが(苦笑)、ワンポイントのムーブなので体感グレードには個人差がありそう。
上部のコーナークラックは「小川山レイバックのハンドジャムパートがもう少し長く続く感じ」というまに氏のコメントがぴったり。地上にこのクラックがあったら大人気ルート間違いなし。
そのまま十一面奥壁の頂点にロープを伸ばすことも可能だけど、ハンドジャムパートの上でいったんピッチを切ってビレイしてもらったのでリードを交代。
・7P目(5.8、10m)リード
凹角のクラックに沿って小さな段差を乗り越し、十一面奥壁の山頂へ。
先々週に「joyful moment」を登った際にも訪れた場所。今回はガスっていて下部の十一面正面壁は見えるけれど小ヤスリはうっすら、瑞牆山頂は見えず。
山頂から一段クライムダウン。チムニー手前で岩の合間に降りたら、そのまま下降路に通じたので、樹林帯の踏み跡を歩いて10分ほどで取付き地点に帰還。
取付きに戻り装備を解除し、ギア類をザックにしまう内に、秋の日はつるべ落としで、すっと西日が雲を朱く染めたと思ったらあっさり日没。
すっかり暗くなった下降路をとっとこと下山。ありがとうございました。
「一粒の麦」は、ネットで拝見したそれほど数多くはない記録に記されているとおりの印象でした。
いわく「中間の灌木帯や歩きが若干煩わしいものの、2P目と6P目のクラックは美しく、これらのクラックを登りに来るだけの価値はある」というもの。
実際、1ピッチ目は2P目を登るための、3、4、5ピッチは6P目を登るためのアプローチという感じ。逆に言えば、2P目と6P目が際立って面白いため、残念なことに相対的に他のパートが霞んでしまうというか…。ともあれ、ピッチ毎に周囲を見渡して登路を探し出すことも、マルチピッチならではの楽しさで良いのかな、と。
特に2ピッチ目の、一枚の広大な岩にすっきりと真っ直ぐに切れ込んだ美しいクラックは、(前々週に余った時間でTRで触ってしまったけれど)このルートをちゃんとリードで登るためにもう一度ここに来たい…と思うほど、自分にとって印象的でした。このクラックを見出した開拓者の方に感謝。
先々週に少し余った時間で下部1、2ピッチだけを登った「一粒の麦(5.10c/d、6P)」を再訪。
2ピッチ目の長いフレーク状のクラックが印象的だったけれど、ギアや時間が足りずTRで触っただけなので、ちゃんと登りたいな、と。
朝都内を出発し、瑞牆の植樹祭広場の駐車場に到着して見上げると、ひんやりと肌寒く、末端壁上部付近はうっすらガスの中。けれども岩が濡れている様子はなかったので、ギア類を準備してここ最近何度か通っている末端壁方面の道をぽくぽく歩き出す。
十一面正面壁を越えて奥壁へ。
取付き手前の小さなテラスで登攀準備。
◆瑞牆十一面奥壁、一粒の麦(5.10c/d、6P) ※グレードは主に開拓者の角屋氏によるもの(一部個人的な体感)
・1P目(5.9、20m)、フォロー
階段状の岩場を4mほど登り、少し歩いて3mほどの垂壁のフェイス。ハンドジャムを決めてホールドを拾うワンポイントのムーブ。ほんとワンポイントなんだけど、不要なカムをラックにぶら下げているせいか、先々週に空身でリードしたときよりも悪く、5.9くらいに感じる。そのまま緩傾斜の岩場を10mほど歩いて2P目の取付きまで。出だしにリングボルト(?)を撤去した跡がひとつ。
・2P目(5.10b、25m)、リード
下部のハイライトピッチ。つるべではなく交互にリードでトライ。
一枚の広大な岩面にすっと垂直に切れ込んだフレーク状の長く美しいクラック。
クラックの幅は下部から上部に向って徐々に広くなる独特の形状。ハンドから始まりフィストになり、中間部から上はワイドムーブとレイバックの連続。
極度に悪いムーブはなく淡々と同じような難しさが続く長いクラック。途中で諦めそうになるけれど、とりあえず落ちないので登り続けたらどうにか終了点…という感じ。必要なギアとセットの位置を教えてもらいながらのトライだったので気持ち的には少し楽でしたが、長さもあり緊張しました。個人的にグレードは10ノーマルくらいでもいいかな…と思います。
途中に古い終了点らしきボルトを撤去した跡あり。
まに氏にフォローでもう一度登り返してもらい、登攀続行。
・3P目(Ⅲ級、10m)歩き
灌木帯から、目の前の岩の左側を少し登り、チムニーを歩いて下り4P目のチムニーの前に。
・4P目(5.6、20m)リード(歩き)
目の前のどんと広いチムニーの中を歩き、どん付で右に曲がってさらに歩き。途中に小さな水晶窟がありました。
・5P目(5.7、20m)リード
右手の岩のダブル(トリプル?)クラックの内、一番左を選択。上は内部が湿っぽく大きなカムがないと厳しそうだったので中間で右のクラックに移動。短いワイドを抜けてテラスの奥の灌木まで。
ATCガイドを下に忘れて登り出してしまったので、ムンターヒッチでビレイ(すみません)。
オコジョがぴゅっと岩陰を走り過ぎました。かわいかった。
・6P目(5.10c/d、25m)フォロー
5P目の終了点からルンゼを越えてお隣の岩へ。取付きが少し分かりにくい。
上部に美しいコーナークラックがあるそうだけど下からではそのクラックは全く見えず。
登り始めてすぐのワンポイントの核心は、ホールドを教えてもらえば「なるほど」だけど、自分がもしオンサイトで見出せたかというと自信なし。
ピッチグレードはこのワンポイントについていますが、割合すんなり越えてしまったまに氏いわく「10a」くらい。それはさすがに辛すぎな気がしますが(苦笑)、ワンポイントのムーブなので体感グレードには個人差がありそう。
上部のコーナークラックは「小川山レイバックのハンドジャムパートがもう少し長く続く感じ」というまに氏のコメントがぴったり。地上にこのクラックがあったら大人気ルート間違いなし。
そのまま十一面奥壁の頂点にロープを伸ばすことも可能だけど、ハンドジャムパートの上でいったんピッチを切ってビレイしてもらったのでリードを交代。
・7P目(5.8、10m)リード
凹角のクラックに沿って小さな段差を乗り越し、十一面奥壁の山頂へ。
先々週に「joyful moment」を登った際にも訪れた場所。今回はガスっていて下部の十一面正面壁は見えるけれど小ヤスリはうっすら、瑞牆山頂は見えず。
山頂から一段クライムダウン。チムニー手前で岩の合間に降りたら、そのまま下降路に通じたので、樹林帯の踏み跡を歩いて10分ほどで取付き地点に帰還。
取付きに戻り装備を解除し、ギア類をザックにしまう内に、秋の日はつるべ落としで、すっと西日が雲を朱く染めたと思ったらあっさり日没。
すっかり暗くなった下降路をとっとこと下山。ありがとうございました。
「一粒の麦」は、ネットで拝見したそれほど数多くはない記録に記されているとおりの印象でした。
いわく「中間の灌木帯や歩きが若干煩わしいものの、2P目と6P目のクラックは美しく、これらのクラックを登りに来るだけの価値はある」というもの。
実際、1ピッチ目は2P目を登るための、3、4、5ピッチは6P目を登るためのアプローチという感じ。逆に言えば、2P目と6P目が際立って面白いため、残念なことに相対的に他のパートが霞んでしまうというか…。ともあれ、ピッチ毎に周囲を見渡して登路を探し出すことも、マルチピッチならではの楽しさで良いのかな、と。
特に2ピッチ目の、一枚の広大な岩にすっきりと真っ直ぐに切れ込んだ美しいクラックは、(前々週に余った時間でTRで触ってしまったけれど)このルートをちゃんとリードで登るためにもう一度ここに来たい…と思うほど、自分にとって印象的でした。このクラックを見出した開拓者の方に感謝。
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Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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