Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by norlys - 2015.07.14,Tue
梅雨時の週末は雨予報に翻弄され悶々…でしたが、なんと土日とも好天という素晴らしい予報。
前日の金曜日は雨は上がっていたものの、それまでほぼ連日雨だったこともあり、森の深い瑞牆は不動沢がひょんぐり、各所の小沢も水流が迸っていました。
土曜日は初めて訪れるメルヘン岩。
瑞牆本をぱらりと開いたらちょうどこの岩場のページが開き、割合コンパクトな独立岩峰ならば乾きも早いかな…と。それにアンダーテンのワイドクラックなら睡眠不足がちな土曜日のゆるふわクライミングにも良さそうだし、と。
岩場に到着すると、予想以上にモイスティ。「未知との遭遇」はびっしょり。
やはり瑞牆の森は深く、そんなに簡単には乾かないか…と。
お隣の「ブラウン・ジョー」も水流跡があるけれど、それでも登れないコンディションではなさそうだったのでトライ。
1P目のチムニー~OWは、案外と外にホールドがあり内面登攀なので露出感も控えめで楽しく登れました。
途中の立木を越え、「風神の門」に繋がるトンネルでカムで支点を取りビレイ。(チムニーを登るルートということもあり落石から逃れられないので、トンネル内に退避していて良かったです。)
2P目は真向勝負のチムニーから、風化の激しい3P目を繋げて岩峰直下まで。
岩場の弱点を突いた、アルパインちっくなルート。山登りとフリーが同時に楽しめ、そしてフリーでありながらアルパイン的な要素も高い、この瑞牆の懐の広さ。楽しい。
瑞牆本の記述どおり西面にラペルダウン。そこは明らかにお掃除された形跡のある、けれど瑞牆本には載っていない美しいOWのルートでした。
一旦ギアをデポし、ザック類を回収することに。そしてここに戻る道筋が、初見なので結構大変でした。分かってしまえば…だけど。
うん、でも、初めてここに足を踏み入れた先人たちはきっと同じように右往左往したのではないかな…と想像すると、逐一手取り足取りガイドされるよりも多少不案内な部分が残っている方が色々な発見があり楽しいものです。
無名のワイド、自分たちの間で勝手に「メルヘンワイド」と呼ぶことにしたワイドクラックを登り、この日は終了。帰路は、来た道と違えて殿堂岩のルートを眺め夫婦岩から登山道へ合流。
日曜日は摩天岩上部岩壁へ。
ここは以前ルートを探して少しうろちょろしたのですが、シャクナゲの藪に阻まれてたどり着けなかったところ。今回の瑞牆本作成にあたり人が入ったことで、かなりアプローチが良くなっていました。ありがたし。
お目当ては「北斗七星」。グレードは5.9と高くはないけれど、内容は素晴らしいとの評判なので、これはぜひ登りたいな…と。
いざ登り始めると、下から見上げる以上にスケールがあり、あれ…これ、もしかしたら弾切れになるかも…な、ギリギリ感を抱えながらどうにかOS。もうこの一本ですっかり満腹、満足でした。ありがとうございます。
「虚無僧クラック」をフォローし、お隣の「摩天楼」をTRで交替でお触り。
フレアしたOW~チムニーのルーフ越え。発表当初は10dで、瑞牆本では11a。
クラック内部がびっしょりでフリクションが悪かったけれど、もはやそれ以前の問題。自分にとっては完全に異次元のシロモノでした。
なんとかジャムの決まるところを探り足を動かし、リービテーションを決めて足を離したら、はい終了~…。
もう少し上の部分の外側のカチホールドにはチョーク跡がびっしりだったけれど、全然そこまで辿り着けませんでした。
全然歯が立たなかったけれど、また機会があったら遊んでみたいです(もちろんTRで…^^;)。
それより、ジムにこういうクラックがあったらいいのになぁ…<=無理な注文w
その後は、ルートを同定ししばしウロウロ。
右岩稜の取付きが見いだせず、行きつ戻りつをし、ようやく発見。
その時点ですでに時刻は16時過ぎだったので、結局右岩稜は諦め、右岩稜をさらに右に回り込んだ緩い岩を適当に登り、南十字星側にラペルダウンし、取付きに戻りました。
この南十字星のルートは、終了点から60mロープの折り返しでピッタリ。スケール感もさることながら、下開きのフレアードチムニーで悪相ぷんぷん。これで10cとか…ほんと?
中間部分に古いRCCボルトと自作ハンガーのボルトがあり、いずれもスリングとビナが垂れていたけれど、いったいいつの時代に誰が遺したものやら…? 人工登攀用? それともビレイ支点用? これらのボルトについては瑞牆本にも触れられていないので、なんでだろう…? と、推測するばかり。
瑞牆の森は深く、それでも少しずつあちこちを彷徨してきたことで、ようやく全体象が見えてきたような気がします。あちこちに宿題を残したままな上に、まだ足を運んだことのないエリアもたくさんあり、一生かかっても登り尽くせそうにありません。
ありがとうございました。
***この日登った(触っただけの)ルート***
2015/07/11
/*瑞牆、メルヘン岩
・ブラウン・ジョー1P目(5.9 NP)-OS。予想外にホールドが豊富でサイズも悪くなく、楽しい内面登攀。両端を壁で切り取られた視界の隙間に不動滝方面が見え、気分はまるでアルパイン。体感5.8かな。(ご飯2杯)
・ブラウン・ジョー2P目(5.8 NP)-フォローで。3P目までを繋げて一気に。スクイーズチムニーから脆い岩を繋げて岩峰直下に。ここから左手にラペルダウンするよう記述があるけれど、ロープ長に注意しつつ、右側の未知との遭遇のラインに降りた方がすっきりしていいかもしれません。(ご飯1杯)
・無名ルート(メルヘンワイド(仮)) (体感5.10-)-FL。メルヘン岩西面にあるOWのルート。キレイにお掃除されていて、明らかに登られた形跡あり。落ちないけれど進めない…という、長く苦しく楽しいワイドでした。この1本でもうお腹いっぱい。(ご飯4杯)
2015/07/12
/*瑞牆、摩天岩上部岩壁
・北斗七星(5.9 NP)-OS。予想通りより、予想以上にキレイな長いルートでした。最後のトラバース部分手前で弾切れ警報がなっていたけれど、どうにか登り切ることができてよかった…(しみじみ)。10aではなくてもいいから9+くらいほしい<=地味w (ご飯3杯)
・虚無僧クラック(5.10a NP)-フォロー回収で。コンディションは決してよくなく、ムーブも初見だと分かりにくそう。フォローでよかった(苦笑)。(ご飯2杯)
・摩天楼クラック(5.11a NP)-TR。トップロープで。上部のフレアードクラックのパートはびしょびしょ。でもコンディションが良かったとしてもトップアウトできたとは思えず。。
どんな可能性があるのか、またいつか試してみたいものです。(ご飯…?)
メルヘン岩にはほかにも、明らかに人の手が入ったキレイな、そしてかなり難しそうな割れ目がありました。瑞牆本にて600本ものルートが発表されてもなお、未だあちこちで登られていそうな未掲載のルートに遭遇します。
ボルトを打たず終了点もなく(たまにある)、自然の中で自然の姿のまま、微かにまたは明らかに人が触れた気配が残されたルートを見つけると、瑞牆の森はほんとうに深く、こういう出会いの余地が残されていることをとても嬉しく思います。
前日の金曜日は雨は上がっていたものの、それまでほぼ連日雨だったこともあり、森の深い瑞牆は不動沢がひょんぐり、各所の小沢も水流が迸っていました。
土曜日は初めて訪れるメルヘン岩。
瑞牆本をぱらりと開いたらちょうどこの岩場のページが開き、割合コンパクトな独立岩峰ならば乾きも早いかな…と。それにアンダーテンのワイドクラックなら睡眠不足がちな土曜日のゆるふわクライミングにも良さそうだし、と。
岩場に到着すると、予想以上にモイスティ。「未知との遭遇」はびっしょり。
やはり瑞牆の森は深く、そんなに簡単には乾かないか…と。
お隣の「ブラウン・ジョー」も水流跡があるけれど、それでも登れないコンディションではなさそうだったのでトライ。
1P目のチムニー~OWは、案外と外にホールドがあり内面登攀なので露出感も控えめで楽しく登れました。
途中の立木を越え、「風神の門」に繋がるトンネルでカムで支点を取りビレイ。(チムニーを登るルートということもあり落石から逃れられないので、トンネル内に退避していて良かったです。)
2P目は真向勝負のチムニーから、風化の激しい3P目を繋げて岩峰直下まで。
岩場の弱点を突いた、アルパインちっくなルート。山登りとフリーが同時に楽しめ、そしてフリーでありながらアルパイン的な要素も高い、この瑞牆の懐の広さ。楽しい。
瑞牆本の記述どおり西面にラペルダウン。そこは明らかにお掃除された形跡のある、けれど瑞牆本には載っていない美しいOWのルートでした。
一旦ギアをデポし、ザック類を回収することに。そしてここに戻る道筋が、初見なので結構大変でした。分かってしまえば…だけど。
うん、でも、初めてここに足を踏み入れた先人たちはきっと同じように右往左往したのではないかな…と想像すると、逐一手取り足取りガイドされるよりも多少不案内な部分が残っている方が色々な発見があり楽しいものです。
無名のワイド、自分たちの間で勝手に「メルヘンワイド」と呼ぶことにしたワイドクラックを登り、この日は終了。帰路は、来た道と違えて殿堂岩のルートを眺め夫婦岩から登山道へ合流。
日曜日は摩天岩上部岩壁へ。
ここは以前ルートを探して少しうろちょろしたのですが、シャクナゲの藪に阻まれてたどり着けなかったところ。今回の瑞牆本作成にあたり人が入ったことで、かなりアプローチが良くなっていました。ありがたし。
お目当ては「北斗七星」。グレードは5.9と高くはないけれど、内容は素晴らしいとの評判なので、これはぜひ登りたいな…と。
いざ登り始めると、下から見上げる以上にスケールがあり、あれ…これ、もしかしたら弾切れになるかも…な、ギリギリ感を抱えながらどうにかOS。もうこの一本ですっかり満腹、満足でした。ありがとうございます。
「虚無僧クラック」をフォローし、お隣の「摩天楼」をTRで交替でお触り。
フレアしたOW~チムニーのルーフ越え。発表当初は10dで、瑞牆本では11a。
クラック内部がびっしょりでフリクションが悪かったけれど、もはやそれ以前の問題。自分にとっては完全に異次元のシロモノでした。
なんとかジャムの決まるところを探り足を動かし、リービテーションを決めて足を離したら、はい終了~…。
もう少し上の部分の外側のカチホールドにはチョーク跡がびっしりだったけれど、全然そこまで辿り着けませんでした。
全然歯が立たなかったけれど、また機会があったら遊んでみたいです(もちろんTRで…^^;)。
それより、ジムにこういうクラックがあったらいいのになぁ…<=無理な注文w
その後は、ルートを同定ししばしウロウロ。
右岩稜の取付きが見いだせず、行きつ戻りつをし、ようやく発見。
その時点ですでに時刻は16時過ぎだったので、結局右岩稜は諦め、右岩稜をさらに右に回り込んだ緩い岩を適当に登り、南十字星側にラペルダウンし、取付きに戻りました。
この南十字星のルートは、終了点から60mロープの折り返しでピッタリ。スケール感もさることながら、下開きのフレアードチムニーで悪相ぷんぷん。これで10cとか…ほんと?
中間部分に古いRCCボルトと自作ハンガーのボルトがあり、いずれもスリングとビナが垂れていたけれど、いったいいつの時代に誰が遺したものやら…? 人工登攀用? それともビレイ支点用? これらのボルトについては瑞牆本にも触れられていないので、なんでだろう…? と、推測するばかり。
瑞牆の森は深く、それでも少しずつあちこちを彷徨してきたことで、ようやく全体象が見えてきたような気がします。あちこちに宿題を残したままな上に、まだ足を運んだことのないエリアもたくさんあり、一生かかっても登り尽くせそうにありません。
ありがとうございました。
***この日登った(触っただけの)ルート***
2015/07/11
/*瑞牆、メルヘン岩
・ブラウン・ジョー1P目(5.9 NP)-OS。予想外にホールドが豊富でサイズも悪くなく、楽しい内面登攀。両端を壁で切り取られた視界の隙間に不動滝方面が見え、気分はまるでアルパイン。体感5.8かな。(ご飯2杯)
・ブラウン・ジョー2P目(5.8 NP)-フォローで。3P目までを繋げて一気に。スクイーズチムニーから脆い岩を繋げて岩峰直下に。ここから左手にラペルダウンするよう記述があるけれど、ロープ長に注意しつつ、右側の未知との遭遇のラインに降りた方がすっきりしていいかもしれません。(ご飯1杯)
・無名ルート(メルヘンワイド(仮)) (体感5.10-)-FL。メルヘン岩西面にあるOWのルート。キレイにお掃除されていて、明らかに登られた形跡あり。落ちないけれど進めない…という、長く苦しく楽しいワイドでした。この1本でもうお腹いっぱい。(ご飯4杯)
2015/07/12
/*瑞牆、摩天岩上部岩壁
・北斗七星(5.9 NP)-OS。予想通りより、予想以上にキレイな長いルートでした。最後のトラバース部分手前で弾切れ警報がなっていたけれど、どうにか登り切ることができてよかった…(しみじみ)。10aではなくてもいいから9+くらいほしい<=地味w (ご飯3杯)
・虚無僧クラック(5.10a NP)-フォロー回収で。コンディションは決してよくなく、ムーブも初見だと分かりにくそう。フォローでよかった(苦笑)。(ご飯2杯)
・摩天楼クラック(5.11a NP)-TR。トップロープで。上部のフレアードクラックのパートはびしょびしょ。でもコンディションが良かったとしてもトップアウトできたとは思えず。。
どんな可能性があるのか、またいつか試してみたいものです。(ご飯…?)
メルヘン岩にはほかにも、明らかに人の手が入ったキレイな、そしてかなり難しそうな割れ目がありました。瑞牆本にて600本ものルートが発表されてもなお、未だあちこちで登られていそうな未掲載のルートに遭遇します。
ボルトを打たず終了点もなく(たまにある)、自然の中で自然の姿のまま、微かにまたは明らかに人が触れた気配が残されたルートを見つけると、瑞牆の森はほんとうに深く、こういう出会いの余地が残されていることをとても嬉しく思います。
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Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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