Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by norlys - 2007.12.21,Fri
先日発売されたRock&Snow 2007 Winter (Vol.038)を買ったもののぺらぺらとページを繰るばかりできちんと読んでいませんでした。今日になってようやく「欧州情報局通信」のページを読んで、ちょっとびっくりしたことが。。
同コラムの中に「高年齢高グレード」という記事があり、なんでもフランスのEscalade Magというフリーペーパーで「イタリアのお盛んな52歳が8b+を登った」という話題がとりあげられていたとのこと。
特になにも考えずに記事を読んでいくと、
「その人物とはエッリ・デ・ルカというイタリアのオジさまです。」
というところで目が釘付け。
あら、なんだか懐かしい名前。でもまさか、同姓同名かなぁ。
「肩書きを見ると、フィアットの開発者、登山家でクライマー、イタリアの極左グループの活動家、キリスト教伝道師、ボスニアにおけるボランティア団体のトラック運転手、作家…あるわあるわ、ゾロゾロと並んでいるわけであります。」
むむ。。
イタリアの極左グループの活動家で、作家。。。作家!!
となれば、当然あのErri De Lucaしかおらんじゃろ。
うわ。
作家としてのErri De Lucaは知っていましたが、かの人が登山家でクライマーだったのは知りませんでしたよ。フィアットの開発者だったことも。。うわ~。
欧州情報局のコラムは続き、フリーペーパーの中でのインタビューに答えるDe Luca氏の言葉が引用されています。
「『オレはグレードのためにこのルートを登ったんじゃないんだ。壁の真ん中に引かれた美しいラインに魅せられて取り付いたんだが、それが8b+だったってわけさ』とイタリアンな美学。」
あ"ー。懐かしい~。
ご健在でいらっしゃいましたか。て、面識はまったくありませんが。。
イタリアの現代文学? といっても全然詳しくないのですが、Umberto Eco(ウンベルト・エーコ)やAntonio Tabucchi(アントニオ・タブッキ)のように海外でも多数の書籍が翻訳され評価の高い巨匠を差し置いて、自分が一番好きなイタリアの小説は、かのErri De Lucaの「Tu, mio」(あなた、僕の)という本なんです。
ハッ、いかん。熱くなってしまった。クールダウン、クールダウン。
「Tu, mio」のほかにも、両親の家に「Non ora, non qui」、「Una nuvola come tappeto」、「In alto a sinistra」、「Pianoterra」、「Tre cavalli」、「Montedidio」といったDe Lucaの著作を置き去りにしたまま。
最近の著作はヲチしていなかったので、残念ながらよく知りません。
それにしても、懐かしいなぁ。。。
「Tu, mio」は、簡単に言えば"A boy meets a girl"の物語。
舞台は第二次世界大戦直後。季節は夏。毎年の休暇と同じように、親の実家のあるイタリア南部の海辺の街に訪れた少年。もう子供でもないけれどまだ大人でもない、揺れ動き続ける中途半端な時期。少年は戦争で父親を亡くしたという年上の少女に出会う。自分よりも少し年上の、すでにして痛ましい体験をかいくぐってきたどこか翳のあるこの少女に惹かれ、幼くぎこちなく優しく甘く苦い思いを胸に秘める少年。。
と、書いてしまうと、ほんとうにただの甘酸っぱいストーリーに過ぎないのですが、この物語の背景が第2次世界大戦直後であるという点が鍵。
昨日の英雄が明日は民衆の敵となり、昨日までの隣人が明日には忌むべき対象となる-めまぐるしく変遷する価値観の時代がようやく収束し平和が訪れたとはいえ、すっかり疲弊し傷ついた多くの人々。
戦禍から遠い場所に住んでいたため少年にとっては戦争もさほど実感を伴う話ではなかったのに、戦争によりさまざまなものを失い傷ついた年上の少女と出会うことで、少年の中でなにかが大きく揺らぎなにかが大きく芽生え育ち始める。幼年期から思春期へと至る、精神的な成長というか、なんというか。。
ネタバレになるので、この少女が笑顔の中でも翳を落とす秘密については触れませんが、イタリアという国における第2次世界大戦というものの複雑性のほんの一部を、この本を通じて初めて理解したような気がしました。
しかし、まさかまさか、ロクスノの中でDe Lucaのお名前を拝見するとは露だに想像できなかったので、ほんとうにうれしいやら驚いたやら。
Erri De Lucaがクライマーだっただなんて。。知らんかったです。驚きです。
しかも52歳で8b+とは。うひょー。
自分が読んだ作品の中には、どこにもそんな記述はなかったのになぁ。。
ナポリ出身というだけあってか、山よりも海の描写の方が多かったような記憶がありますが。。
久しぶりに猛烈にDe Luca本が読みたくなりましたが、年内はもはや実家までレスキューしに行く時間はなさそうです。。残念。
同コラムの中に「高年齢高グレード」という記事があり、なんでもフランスのEscalade Magというフリーペーパーで「イタリアのお盛んな52歳が8b+を登った」という話題がとりあげられていたとのこと。
特になにも考えずに記事を読んでいくと、
「その人物とはエッリ・デ・ルカというイタリアのオジさまです。」
というところで目が釘付け。
あら、なんだか懐かしい名前。でもまさか、同姓同名かなぁ。
「肩書きを見ると、フィアットの開発者、登山家でクライマー、イタリアの極左グループの活動家、キリスト教伝道師、ボスニアにおけるボランティア団体のトラック運転手、作家…あるわあるわ、ゾロゾロと並んでいるわけであります。」
むむ。。
イタリアの極左グループの活動家で、作家。。。作家!!
となれば、当然あのErri De Lucaしかおらんじゃろ。
うわ。
作家としてのErri De Lucaは知っていましたが、かの人が登山家でクライマーだったのは知りませんでしたよ。フィアットの開発者だったことも。。うわ~。
欧州情報局のコラムは続き、フリーペーパーの中でのインタビューに答えるDe Luca氏の言葉が引用されています。
「『オレはグレードのためにこのルートを登ったんじゃないんだ。壁の真ん中に引かれた美しいラインに魅せられて取り付いたんだが、それが8b+だったってわけさ』とイタリアンな美学。」
あ"ー。懐かしい~。
ご健在でいらっしゃいましたか。て、面識はまったくありませんが。。
イタリアの現代文学? といっても全然詳しくないのですが、Umberto Eco(ウンベルト・エーコ)やAntonio Tabucchi(アントニオ・タブッキ)のように海外でも多数の書籍が翻訳され評価の高い巨匠を差し置いて、自分が一番好きなイタリアの小説は、かのErri De Lucaの「Tu, mio」(あなた、僕の)という本なんです。
ハッ、いかん。熱くなってしまった。クールダウン、クールダウン。
「Tu, mio」のほかにも、両親の家に「Non ora, non qui」、「Una nuvola come tappeto」、「In alto a sinistra」、「Pianoterra」、「Tre cavalli」、「Montedidio」といったDe Lucaの著作を置き去りにしたまま。
最近の著作はヲチしていなかったので、残念ながらよく知りません。
それにしても、懐かしいなぁ。。。
「Tu, mio」は、簡単に言えば"A boy meets a girl"の物語。
舞台は第二次世界大戦直後。季節は夏。毎年の休暇と同じように、親の実家のあるイタリア南部の海辺の街に訪れた少年。もう子供でもないけれどまだ大人でもない、揺れ動き続ける中途半端な時期。少年は戦争で父親を亡くしたという年上の少女に出会う。自分よりも少し年上の、すでにして痛ましい体験をかいくぐってきたどこか翳のあるこの少女に惹かれ、幼くぎこちなく優しく甘く苦い思いを胸に秘める少年。。
と、書いてしまうと、ほんとうにただの甘酸っぱいストーリーに過ぎないのですが、この物語の背景が第2次世界大戦直後であるという点が鍵。
昨日の英雄が明日は民衆の敵となり、昨日までの隣人が明日には忌むべき対象となる-めまぐるしく変遷する価値観の時代がようやく収束し平和が訪れたとはいえ、すっかり疲弊し傷ついた多くの人々。
戦禍から遠い場所に住んでいたため少年にとっては戦争もさほど実感を伴う話ではなかったのに、戦争によりさまざまなものを失い傷ついた年上の少女と出会うことで、少年の中でなにかが大きく揺らぎなにかが大きく芽生え育ち始める。幼年期から思春期へと至る、精神的な成長というか、なんというか。。
ネタバレになるので、この少女が笑顔の中でも翳を落とす秘密については触れませんが、イタリアという国における第2次世界大戦というものの複雑性のほんの一部を、この本を通じて初めて理解したような気がしました。
しかし、まさかまさか、ロクスノの中でDe Lucaのお名前を拝見するとは露だに想像できなかったので、ほんとうにうれしいやら驚いたやら。
Erri De Lucaがクライマーだっただなんて。。知らんかったです。驚きです。
しかも52歳で8b+とは。うひょー。
自分が読んだ作品の中には、どこにもそんな記述はなかったのになぁ。。
ナポリ出身というだけあってか、山よりも海の描写の方が多かったような記憶がありますが。。
久しぶりに猛烈にDe Luca本が読みたくなりましたが、年内はもはや実家までレスキューしに行く時間はなさそうです。。残念。
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Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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