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2007/06/18-19:19 無戸籍女子高生、旅券取得を断念=母親の前夫の姓記載で
外務省にパスポート(旅券)の発給を申請していた滋賀県在住の無戸籍の女子高生が、旅券に記載されるのが母親の前夫の姓であることを理由に、取得を断念したことが分かった。支援者が18日、明らかにした。女子生徒は、予定していた海外修学旅行への参加を見送る考えだという。
外務省は、人道上やむを得ない場合は、無戸籍でも前夫の姓で旅券を取得できるよう旅券法の省令を改正し、今月1日から施行している。女子生徒は、母親の離婚の理由が前夫の暴力だったことから、再婚後の父親の姓で旅券を発給するよう麻生太郎外相に直接要請していた。
(引用元:時事通信 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007061800828)
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この坂上クミ(仮名)ちゃんを支援する「ながきのりこ」氏のWebサイト。
「ながきのりこ」氏は、民法と戸籍を考える女たちの連絡会(みこれん)を主催。
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http://www.nagakinoriko.com/index.html
前述の、ながきのりこ氏とともに坂上クミ(仮名)ちゃんの支援者のWebサイト。
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「戸籍がない子にもパスポートを!」という運動
いずれのWebサイトも、「女性の地位向上」のほか、「婚外子の差別撤廃」「戸籍制度の撤廃」などなどを主張しているヒトビトや団体がてんこもり。またプロ市民か。。。とうんざりしながらも、いちおう彼女たちの主義主張を見てみる。めまいがする。
この団体の主張に沿う形で、民法の規定の見直しが続々と行われている。
「無戸籍でも住民票の取得可能(本籍地欄には「本籍なし」と表記) (2007/5/31 東京地裁判決)」「無戸籍でも運転免許証取得可能(本籍地欄には「本籍なし」と表記)」「離婚後300日規定の特例(医師の診断書が必要)(2007/5/21から)」「無戸籍でも前夫の姓でのパスポート発給可能(出生証明が必要)」
なるほど、成果はあげているようで。でも、ひとつを許可したら次を要求する果てしない主義主張の先の、彼女たちの最終目標はどこにあるのかと考えると、ほんのりそらおそろしい感もあり。
どんな例外にも対応できる完全無比なシステムは少なくて、そういう場合は運用でカバーしたり、システムをアップデートすることで対応する。法律もまたしかり。
今月出発予定ということもあって、前夫の姓ならパスポートを即時支給してあげるよと、麻生外務大臣が直々に伝えるも、坂上クミ(仮名)ちゃんは「今のお父さんの名前じゃないとイヤ」とダダをこね続けている。
政府側としてのポーズもあるだろうけれど、この提案はものすごい譲歩だと思うのだけれど。。
枠組みの中で取り計える最良の提案を不服としてまで「今の父親の姓」にこだわる理由がわたしにはさっぱりわからない。
いいじゃん、せっかくの機会なんだから、さっさとパスポートをもらって楽しんできなよ、と思うのだけど。
だけど、坂上クミ(仮名)ちゃんは頑なに拒否。背後にいる支援団体に「言わされている」感が漂いつつも、本人とコトの発端を産み出したお母様はすっかり洗脳されたのか、完全に被害者ヅラ。
女子高生ながらに立派なプロ市民ぶりです(と、わたしの目には映ります)。
前夫のDVが理由で逃げ回っているので、戸籍を取得することで現在の居場所を知られたくないという前提があるわりには、なぜわざわざ団体の広告塔になってこんなに大騒ぎをするのか?
代理人を通じて無戸籍女子高生こと坂上クミ(仮名)ちゃんの戸籍登録の手続きをして、現夫と養子縁組するという方法を選ばなかったのはなぜ?
もしDV前夫への不安が残るなら警察に保護をお願いすればいいのでは?
彼女たちの主張の論理が破綻していて「最終目的」が不透明なので、考えるほどに頭がぐるぐるとまわる。
論旨が不明なまま粘っこい主義主張を繰り返しているようなので、わたし自身も生物学上はいちおう女だけれど、彼女たちが謳う「女性=社会的弱者」像が、正直なところ果てしなくうっとうしいと感じる。
「300日規定」というのは、妊娠中の女性が離婚された場合に、生まれた子供の救済措置として設けられた意味合いもあるという。それを逆手にとって、すぐに再婚できない女性は不利と騒ぐのだから、同じ性別ながら女性はわからない。それなら、子供を身ごもったままダンナに捨てられる女性の救済はどうなるのだろう。自分たちの主張が、他の第三者の不幸を招くかもしれないことは想定できないのだろうか。
いや、そもそも坂上クミ(仮名)ちゃんのお母様はDV前夫との離婚が成立する前にクミ(仮名)ちゃんを出産しているので、この300日規定の救済対象には入らない。コレ重要。
16年間も逃げ続けならなければならないほどに悪劣なDV前夫にめぐり合ってしまったことはとても不幸だけれど、だからといって離婚成立前に制度上の夫以外の男性の子供を産むのはどうなのかと。
(2chでは、A=DV前夫、B=生物学上の父親、C=現在の、母親の再婚相手、という3人の男性説や、A=DV前夫ただし離婚未成立、B=現在のパートナー(未入籍)という説が流れていて、いずれにしてもそれがほんとうならこの母親の振る舞いをさらに激しく非難するところですが、未確認情報のようなので傍らに置いておきます。マスコミはもっとこの点を突っ込むべきだと思うのだけど。。あと、前夫はどれだけDV野郎だったのかの検証も。)
「世の中の男性がことごとくDV夫となり女性はみな離婚成立前に他の男性と不義をおこして婚外子を儲ける」というレアなケースを持ち出して、だからこんなに不幸なのだという主張はどうなのかと。
おまけに。
ながきのりこ氏の活動内容をつらつら眺めると「1998年 国民葬背番号制導入(住基ネット)に反対する集会をひらく」とある。
えーと。。。
戸籍制度は確かに世界でも少数派で、「家族」単位の管理制度に反対しているところまではわかるのですが、それならなぜ「ソーシャルID」制度の礎となる(はずだった)住基ネットにまで反対するのでしょうか。。。
住民票はいただく、パスポートもほしい、でも戸籍は登録しない、という姿勢が残念ながらわたしには理解できません。
今の日本には国民としてのユニークなIDがないので、戸籍を登録することが必要だと認識しています。現在のところ国が用意している制度がそうなっている以上、まずはそのルールに従いましょうよ。サッカーではボールを手に持っては走ってはいけません、それと同じように日本国民である以上基本ルールには従いましょうよ。
果たして、どんな制度を用意してあげれば彼女たちが大満足するのか、そしてそれはほんとうに民主主義的に国民の最大幸福となるのかが、わたしにはわかりません。
母親と子供の関係は多くの場合とてもクリアですが、父親と子供の関係はあくまでも申告制です。
では、離婚成立前に妊娠した/生まれた子供でも、生物学的関係性を優先するならば、いっそすべての子供にDNA鑑定を導入したら気が済むのでしょうか。
一部のフェミ団体は、DNA鑑定導入もやむなしと考えているようですが、「家族の幸福が損なわれる可能性がある」と否定しているプロ市民も多数います。いったい彼らはなにを望んでいるのか、ほんとうに謎。。。
彼女たちの言い分がまかりとおれば、ある日突然海外から人を連れてきて「この人、無戸籍なんですよー。日本のパスポートを発給してくだサーイ」といって、まんまと菊のご紋のパスポートを取得することも可能になっちゃいます。偽造パスポートを国家自ら量産する体制って、おかしくないでしょか。わたしにはこのことがなによりも恐ろしいです。
パスポート発給よりもなによりも、このまま無戸籍を押し通すのであれば、坂上クミ(仮名)ちゃんは年金積み立てもできないし、結婚もできないのではないかとも気になります。
戸籍をつくることのデメリットとはなんでしょうか。DV前夫に居場所を知られたくないというあくまでも例外エラー的な個人的な理由以外の、もっと普遍的な問題点とはなんでしょうか。
坂上クミ(仮名)ちゃんとその支援者どもは、「身元未確認のままパスポート発給」という国家レベルでのリスクを考慮に入れたうえで主張を行っているのでしょうか。もし万が一にもそうだとしたら、ものすごい確信犯です。彼女たちの本当の狙いは法制度の不備や少数弱者の救済ではなく、日本という国家の根幹を揺るがすことなのだと理解させていただきます。
それよりもなによりも、どうか、むやみに不幸な子供たちを増やさないでください。
親のエゴで子供を犠牲にしないでくださいな。。
坂上クミ(仮名)ちゃんの支援団体のみなさんも、彼女をマスコミにさらして傷口を広げさせたり、「無戸籍の子供がかわいそう」とか言う前に、長年手続きを放置してきた母親のネグレクトをこそ非難し、早急な手続きをとるように促した方がよいのではないでしょか。
この問題を考えている中でふと、「親が悪いのはアナタのせいじゃない」というノルウェーの地下鉄の政府広告を思い出しました。
家庭にアル中、薬中、借金、DV。。。という問題があったら、さっさと逃げ出しなさい、子供には幸せになる権利がある、と専門団体への連絡を呼びかけるポスターでした。
男女の性差の対立を煽り大人の事情を盾にする以前に、大人が子供をちゃんと保護してあげるべきではないかと、わたし個人的には思うんですよね。。。
尊重されるべき基本的人権や日本国民として享受できる我が子の権利を実の親が踏みにじるなんて、それこそ児童虐待ではないかとも思ったりします。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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