Norlys(ノールリース)-日々のあれこれ
Posted by norlys - 2014.06.02,Mon
週末は瑞牆へ。
本当は名張に遠征したかったのだけど、直前すぎて高速バスのチケットを抑えることができずに転進。残念。
土曜日は、かねてから登ってみたいな…と思っていた、瑞牆の十一面左岩壁、山河微笑ルート(4P、5.10a)へ。
去年の6月頭に錦秋カナトコルートを登った帰りに、ベルジュエールの取付きをさらに回り込んだ地点から十一面の左岩壁と正面壁を改めて眺めたとき、大きなチムニーが目に入りました。
なんだか楽しそう…。
改めてトポを広げてみると「山河微笑ルート」の文字が目に入る。これだろうか。説明文には「大チムニーから長いコーナークラック、オフウィズスを登るクラックの秀逸ルート」とある。楽しそう。以来、山河微笑ルートは、自分にとっていつかは登ってみたいルートのひとつになりました。
ちなみに、「サンガビショウ」ではなく「サンガホホエミ」と読むのだと知ったのはその後のこと。
十一面は「ジュウイチメン」ではなく「トイチメン」だし、七面岩は「ナナメンイワ」ではなく「シチメンイワ」なんだけど、大面岩はオオヅライワで、少しややこしい(自分だけ?)。
クラックの10aというグレードは、未だ自分にとっては、去年の秋に摩天岩のかぜひきでコテンパンになり、今年の春に名張で2勝2敗とこれまた勝ち越せずにいるグレードなので、正直なところ「まだちょっと早いかな…」と思ったけれど、末端壁はそろそろ混みそうだし暑そうだし、標高の高い涼しい静かなエリアでのんびりマルチが良いでしょう~ということでGo。
結果としては、途中に通りかかった末端壁で1パーティさんにご挨拶しただけで、周囲には誰もおらず―十一面正面壁も左岩壁も小ヤスリも大ヤスリもカンマンボロンも…目に入る岩場のどこにも人影がなく、駐車場に溢れていた人々はいったいみんなどこに行ったのだろう?という感じ―、涼しくて静かでのんびりとした一日を過ごしました。
2014年5月31日
瑞牆、十一面左岩壁、山河微笑ルート(4P、5.10a)
・1ピッチ目(5.8)
自分がリード。山河微笑は最終ピッチの10aのオフウィズスが核心となるので、自分が奇数ピッチを担当。
アプローチ中は暑くて暑くて汗びっしょりだったのに、岩の隙間から冷たい空気が吹き出していて準備を整える間に汗冷え気味に。岩もひんやり冷たくて、身体が思うように動かない。
登り始めは凹角沿いに直上。出だしこそワイド風味だけど、基本的にアルパイン風味のフェイス。ハング下から左に移り、右に左にとホールドを追ってフェイスを上へ。「崩壊中なので注意」とトポに記述のあるとおり、岩が風化気味な部分があり、カムでの支点がやや取りにくい。途中に一箇所だけ古いピトンが穿たれていましたが、折角なので残置無視(とはいえビレイ点と下降点は残置使いまくりでしたが)。多分40年モノかな…(推測)。
大きな木の先の、懸垂下降用の支点が残置されたもうひとつ大きな木とこじんまりとしたテラスがあったのでそこでビレイ。
・2ピッチ目(5.7)
フォローで。泥ルンゼを一段上がって大チムニーへ。ビレイ点からだと大チムニーの様子は見えにくい。巨大な岩の間をバックアンドフットでずりずりと上がると、途中から奥にジャムが決まりぐいぐいと登れる。楽しい。岩の間から切り抜いたように青空が頭上に広がっていて、岩と青空しかない世界が非日常的。途中のチョックストーンではギアラックがつっかえてしんどかったので、ギアラックをいったん先に置いてから這い出して終了点へ。
・3ピッチ目(5.9)
記録を読んだときに「木からクラックに移るところが悪い」とあり、調和の幻想の5ピッチ目と同じくまたしても多分自分の担当するだろうピッチは木登りスタートか…と思った記憶が。
たかが5.9、されど5.9。瑞牆のマルチは未だ自分には敷居が高く、上の様子が一切分からないということもあり、果たしてOSできるのかどうか…と、すごく緊張。
木からハンドジャムを決めて岩に移る部分は、岩の内部がガタガタ(浮石ではなく、形状的に)していることもあってジャミングを決める場所を選ぶ必要があり、確かに悪かったです。途中のOWではヘルメットが邪魔になり、メットを外してずりずり。その後は快適なジャミングからのチムニー歩き。
登り終えてみれば「なるほど5.9だよなぁ…」という感じでしたが、登っている間はかなり必死でした。落ちなくてよかった…。
今回は、カムを2セット+5番を1つ、というギアセットで持ち上げたのですが、なにしろ先の様子が見通せないこともあり、同じサイズのカムを2つ使い切ってしまうと「この先大丈夫だろうか…」と、ものすごく不安になってしまい、何度かカムをずらして回収するなど。初めて登るクラックシステム主体のマルチピッチルートは、メンタル要素も高いなぁ…と。
・懸垂
ビレイ点から一段上がり、枯れ木から右下にクライムダウンして次のピッチの取付きへ…というパーティが多いそう。ただ、自分が見た記録だと短い懸垂で取付きに降りているというのもあり、残置ビナがあるので、懸垂で移動。本来、山河微笑ルートはこのクライムダウンor懸垂を含めて「全5P」という記述になっていますが、余りに短いので今回は4Pとしました。
・4ピッチ目(5.10a)
このルートの核心ピッチ。一説にはよろめきクラックよりも悪いと言われる10aのオフウィズス。「よろめきよりは難しくても、かぜひきよりは簡単でしょう♪」と、まに氏は意気軒昂。さすが。途中で身体の向きが想定と違ったようで「あれ?」と一瞬止まって向きを変えた以外は、文字通りするするっと登り、あっという間に終了点に到達しました。強いなぁ。
今回は、9.4mmシングルロープと8.0mmダブルロープの2本を持ち上げたので、まずは8mmのダブルロープに不要なギアを括り付けて荷揚げ。自分はシングルロープ1本ですっきりと空身となりフォロー。
余計なギアを持ち上げる必要がなかったお陰か、楽しく登ることができました。途中で1箇所進みにくいところがあったけど「挟まっているから落ちないしなー…まぁフォローだし」という感じ。
協議の結果(?)「よろめきよりも難しいということはない」という結論で合意しました(勝手連)。
とはいえ、下部3ピッチ目を登って来てからのOWなので、そのことを考慮に入れる必要がありますが。
アプローチの良い地上にこのピッチがあったらきっと人気ルートになるだろうなぁ。
終了点から左に歩いてカナトコ岩の下に移動し、4ピッチの懸垂下降で地上へ。
岩陰または木陰にいる時間が長く暑さを感じることはありませんでしたが、色々と奮闘して汗をかきまくったせいで喉がカラカラ。持ち上げた小さなペットボトルの飲み物は4P目の登攀前に飲み尽くしてしまいました。
ワイド系だったこともあってか、たった4ピッチなのにすっかり疲労困憊。無事に登攀を終えて気持ちは浮かれ気味なのに、足取りは全然軽くなく、見事にヨレヨレになりました。
とはいえ。無事に楽しくフリーで登ることができて本当にうれしかったです。ありがとうございました!
どのピッチも長さがあり、フェイスにハンドジャムにチムニーにオフウィズスに…と、変化に富んだクラックルートが続き、極端に悪いピッチが含まれることもなく、とても楽しいルートでした。
1P目を除いては岩の割れ目に挟まっている時間が長くて、岩の割れ目の間から見上げる空がたまらなくステキ。あと、やっぱり岩を登って登って岩峰の上(テッペン、ではないけど)に立つのはやっぱり気持ちがよいものです。
本当は名張に遠征したかったのだけど、直前すぎて高速バスのチケットを抑えることができずに転進。残念。
土曜日は、かねてから登ってみたいな…と思っていた、瑞牆の十一面左岩壁、山河微笑ルート(4P、5.10a)へ。
去年の6月頭に錦秋カナトコルートを登った帰りに、ベルジュエールの取付きをさらに回り込んだ地点から十一面の左岩壁と正面壁を改めて眺めたとき、大きなチムニーが目に入りました。
なんだか楽しそう…。
改めてトポを広げてみると「山河微笑ルート」の文字が目に入る。これだろうか。説明文には「大チムニーから長いコーナークラック、オフウィズスを登るクラックの秀逸ルート」とある。楽しそう。以来、山河微笑ルートは、自分にとっていつかは登ってみたいルートのひとつになりました。
ちなみに、「サンガビショウ」ではなく「サンガホホエミ」と読むのだと知ったのはその後のこと。
十一面は「ジュウイチメン」ではなく「トイチメン」だし、七面岩は「ナナメンイワ」ではなく「シチメンイワ」なんだけど、大面岩はオオヅライワで、少しややこしい(自分だけ?)。
クラックの10aというグレードは、未だ自分にとっては、去年の秋に摩天岩のかぜひきでコテンパンになり、今年の春に名張で2勝2敗とこれまた勝ち越せずにいるグレードなので、正直なところ「まだちょっと早いかな…」と思ったけれど、末端壁はそろそろ混みそうだし暑そうだし、標高の高い涼しい静かなエリアでのんびりマルチが良いでしょう~ということでGo。
結果としては、途中に通りかかった末端壁で1パーティさんにご挨拶しただけで、周囲には誰もおらず―十一面正面壁も左岩壁も小ヤスリも大ヤスリもカンマンボロンも…目に入る岩場のどこにも人影がなく、駐車場に溢れていた人々はいったいみんなどこに行ったのだろう?という感じ―、涼しくて静かでのんびりとした一日を過ごしました。
2014年5月31日
瑞牆、十一面左岩壁、山河微笑ルート(4P、5.10a)
・1ピッチ目(5.8)
自分がリード。山河微笑は最終ピッチの10aのオフウィズスが核心となるので、自分が奇数ピッチを担当。
アプローチ中は暑くて暑くて汗びっしょりだったのに、岩の隙間から冷たい空気が吹き出していて準備を整える間に汗冷え気味に。岩もひんやり冷たくて、身体が思うように動かない。
登り始めは凹角沿いに直上。出だしこそワイド風味だけど、基本的にアルパイン風味のフェイス。ハング下から左に移り、右に左にとホールドを追ってフェイスを上へ。「崩壊中なので注意」とトポに記述のあるとおり、岩が風化気味な部分があり、カムでの支点がやや取りにくい。途中に一箇所だけ古いピトンが穿たれていましたが、折角なので残置無視(とはいえビレイ点と下降点は残置使いまくりでしたが)。多分40年モノかな…(推測)。
大きな木の先の、懸垂下降用の支点が残置されたもうひとつ大きな木とこじんまりとしたテラスがあったのでそこでビレイ。
・2ピッチ目(5.7)
フォローで。泥ルンゼを一段上がって大チムニーへ。ビレイ点からだと大チムニーの様子は見えにくい。巨大な岩の間をバックアンドフットでずりずりと上がると、途中から奥にジャムが決まりぐいぐいと登れる。楽しい。岩の間から切り抜いたように青空が頭上に広がっていて、岩と青空しかない世界が非日常的。途中のチョックストーンではギアラックがつっかえてしんどかったので、ギアラックをいったん先に置いてから這い出して終了点へ。
・3ピッチ目(5.9)
記録を読んだときに「木からクラックに移るところが悪い」とあり、調和の幻想の5ピッチ目と同じくまたしても多分自分の担当するだろうピッチは木登りスタートか…と思った記憶が。
たかが5.9、されど5.9。瑞牆のマルチは未だ自分には敷居が高く、上の様子が一切分からないということもあり、果たしてOSできるのかどうか…と、すごく緊張。
木からハンドジャムを決めて岩に移る部分は、岩の内部がガタガタ(浮石ではなく、形状的に)していることもあってジャミングを決める場所を選ぶ必要があり、確かに悪かったです。途中のOWではヘルメットが邪魔になり、メットを外してずりずり。その後は快適なジャミングからのチムニー歩き。
登り終えてみれば「なるほど5.9だよなぁ…」という感じでしたが、登っている間はかなり必死でした。落ちなくてよかった…。
今回は、カムを2セット+5番を1つ、というギアセットで持ち上げたのですが、なにしろ先の様子が見通せないこともあり、同じサイズのカムを2つ使い切ってしまうと「この先大丈夫だろうか…」と、ものすごく不安になってしまい、何度かカムをずらして回収するなど。初めて登るクラックシステム主体のマルチピッチルートは、メンタル要素も高いなぁ…と。
・懸垂
ビレイ点から一段上がり、枯れ木から右下にクライムダウンして次のピッチの取付きへ…というパーティが多いそう。ただ、自分が見た記録だと短い懸垂で取付きに降りているというのもあり、残置ビナがあるので、懸垂で移動。本来、山河微笑ルートはこのクライムダウンor懸垂を含めて「全5P」という記述になっていますが、余りに短いので今回は4Pとしました。
・4ピッチ目(5.10a)
このルートの核心ピッチ。一説にはよろめきクラックよりも悪いと言われる10aのオフウィズス。「よろめきよりは難しくても、かぜひきよりは簡単でしょう♪」と、まに氏は意気軒昂。さすが。途中で身体の向きが想定と違ったようで「あれ?」と一瞬止まって向きを変えた以外は、文字通りするするっと登り、あっという間に終了点に到達しました。強いなぁ。
今回は、9.4mmシングルロープと8.0mmダブルロープの2本を持ち上げたので、まずは8mmのダブルロープに不要なギアを括り付けて荷揚げ。自分はシングルロープ1本ですっきりと空身となりフォロー。
余計なギアを持ち上げる必要がなかったお陰か、楽しく登ることができました。途中で1箇所進みにくいところがあったけど「挟まっているから落ちないしなー…まぁフォローだし」という感じ。
協議の結果(?)「よろめきよりも難しいということはない」という結論で合意しました(勝手連)。
とはいえ、下部3ピッチ目を登って来てからのOWなので、そのことを考慮に入れる必要がありますが。
アプローチの良い地上にこのピッチがあったらきっと人気ルートになるだろうなぁ。
終了点から左に歩いてカナトコ岩の下に移動し、4ピッチの懸垂下降で地上へ。
岩陰または木陰にいる時間が長く暑さを感じることはありませんでしたが、色々と奮闘して汗をかきまくったせいで喉がカラカラ。持ち上げた小さなペットボトルの飲み物は4P目の登攀前に飲み尽くしてしまいました。
ワイド系だったこともあってか、たった4ピッチなのにすっかり疲労困憊。無事に登攀を終えて気持ちは浮かれ気味なのに、足取りは全然軽くなく、見事にヨレヨレになりました。
とはいえ。無事に楽しくフリーで登ることができて本当にうれしかったです。ありがとうございました!
どのピッチも長さがあり、フェイスにハンドジャムにチムニーにオフウィズスに…と、変化に富んだクラックルートが続き、極端に悪いピッチが含まれることもなく、とても楽しいルートでした。
1P目を除いては岩の割れ目に挟まっている時間が長くて、岩の割れ目の間から見上げる空がたまらなくステキ。あと、やっぱり岩を登って登って岩峰の上(テッペン、ではないけど)に立つのはやっぱり気持ちがよいものです。
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自己紹介:
Norlys(ノールリース)。極光、いわゆるオーロラ。雪の降る季節と雪の降る景色がすき。趣味は編み物。週末は山を散策。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
色々と気になることをメモしたり、グダグダ書いてみたり。山の記録はなるべく参考になりそうなことを…と思いながらも思いついたままに垂れ流し。。
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